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 CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)と呼ばれる技術トレンドは、現在の自動車産業をどう変えるのか。日経Automotiveが2018年9月に開催したセミナー「2030年、自動車産業はこうなる」では、国土交通省や日産自動車、ヤマハ発動機、アーサー・D・リトル・ジャパン(ADLジャパン)が、新しいモビリティーサービスの普及シナリオ、既存事業者に求められる変化への対応策などについて語った。

 現在、大都市圏ではバスやタクシー、トラックなどの運送事業における人手不足が深刻になっている。地方では公共交通機関の維持が難しい状況にあり、高齢者などの“交通弱者”対策が求められている。「これらの課題を、新しいモビリティーサービスで解決していく」。国土交通省公共交通政策部交通計画課長の蔵持京治氏は、このように述べた(図1)。

図1 国土交通省の蔵持京治氏
図1 国土交通省の蔵持京治氏
「都市や地方が抱える課題を、新しいモビリティーサービスで解決する」と述べる。(写真:菊池くらげ)
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 課題解決に向けて同省は、2019年度予算で15億円を要求した。地域ごとに公募を行い、新たなモビリティーサービスの普及を目指した実証実験を行う。また、公共交通分野の民間事業者が持つ運行情報などのデータを集約・整理(オープンデータ化)して、事業者やユーザーが相互に利用できるようにする。

小型モビリティーで課題解決を目指す

 ヤマハ発動機は大都市圏や地方が抱える課題の解決に向けて、電動小型モビリティーを用いた実証実験を日本各地で進めている。同モビリティーは、「ラストワンマイル」での利用を想定した無人の自動運転車である。安全性を確保するため、あらかじめ設定したルートを20km/h以下で走行する。

 これまでの実証実験の結果を踏まえて、同社EM開発統括部長の稲波淳一氏は、「無人運転の小型モビリティーを実用化するには、非常時などに一人の担当者が複数の車両を遠隔操作する仕組みが必要になる」とした。