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 ドイツ・シェフラー(Schaeffler)は、2018年10月末~11月初めにプライベートショー「シェフラーシンポジウム2018」を都内で開催し、マルチリンク式可変圧縮比(VCR)機構向けのアクチュエーターや、電動2段階可変バルブリフト機構の第2世代品を日本で初めて公開した(図1、2別掲記事参照)。同VCR機構は、エンジンの圧縮比を複数のリンクとアクチュエーターを用いて変化させるもの注)。波動歯車機構とブラシレス直流(DC)モーターを組み合わせることで、同アクチュエーターを実現した。一方、電動2段階可変バルブリフト機構は、排気行程に加えて吸気行程でも排気バルブを開閉する排気バルブの2度開きを可能にするもので、内部EGR(排ガス再循環)の導入によってディーゼルエンジンの早期暖機や過渡運転条件下での目標EGR率への早期到達が期待できる。

図1 マルチリンク式VCR機構向けアクチュエーター
図1 マルチリンク式VCR機構向けアクチュエーター
波動歯車機構とブラシレスDCモーターを組み合わせて実現した。モーターの回転は、カップリングを介して軸受の内輪(外形が楕円形状)に伝えられる。同内輪の長径が回転することで、フレックスポッドの外歯とアウターリングの内歯がかみ合いながら、フレックスポッドがアウターリングに対して回転する。アウターリングは筐体に固定。フレックスポッドの回転が出力となる。減速比は、フレックスポッドの外歯とアウターリングの内歯の歯数で決まる。
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図2 電動の2段階可変バルブリフト機構
図2 電動の2段階可変バルブリフト機構
排気行程における排気バルブの開閉(メインリフト)と、吸気行程における排気バルブの開閉(ミニリフト)という排気バルブ2度開きを可能にする機構。排気バルブを2度開きすることでディーゼルエンジンへの内部EGRの適用を可能とする。
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注)日産自動車が「Infiniti」ブランドのSUV(多目的スポーツ車)「QX50」に搭載した直列4気筒ターボガソリンエンジン「MR20DDT」に適用した方式である。同エンジンでは、日立オートモティブシステムズのアクチュエーターを採用している。

 VCR機構向けのアクチュエーターでは、圧縮比を変えるための回転時や変えた後の保持状態において、エンジンの爆発力に耐えられなければならない。そのために不可欠だったのが、350N・mと大きなトルクに耐えられることである。さらに、搭載スペースを考慮して小型にすることや、バックラッシが小さいことなどが求められた。