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 日本自動車研究所(JARI)は2018年11月、自動バレー駐車のシステムを東京・台場の商業施設で公開した。自動車メーカーなどと共同開発したもので、システムの公開に合わせて、実験車両を使ったデモを見せた(図1)。JARIが公開したシステムは、SAE(米自動車技術会)などが定める「レベル4」の自動運転に対応しており、価格が200万~300万円の量産車への適用を想定する。

図1 デモで使用した3台の実験車両
図1 デモで使用した3台の実験車両
三菱自動車の「アウトランダーPHEV」(右)、トヨタのPHEV「プリウスPHV」(中)、トヨタのHEV「プリウス」(左)をベースに開発した。(出所:JARI)
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 量産車で自動バレー駐車注1)を実用化するには、システムのコストをできるだけ抑える必要がある。そこでJARIが公開したシステムは、車両の周囲を監視するセンサーとして、既に量産されている低コストの製品を使った。さらに、実験車両と管制センターのシステムを連携させて、自動運転時の安全性を高めた。専用駐車場などの限られた場所において、2021年度以降の実用化をめざす(図2)。

注1)運転者がクルマの鍵を係員に預けると、自分の代わりに係員がクルマの入出庫を代行してくれるサービスをバレー駐車という。高級ホテルなどで実用化されている。自動バレー駐車は、このサービスを自動化したもの。

図2 自動バレー駐車の仕組み
図2 自動バレー駐車の仕組み
車両と管制センターのシステムを連携させて自動運転時の安全性を高めた。JARIの資料を基に編集部が作成。
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