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 「SUV(多目的スポーツ車)の良さを殺さないSUBARU(スバル)らしいプラグインハイブリッド車(PHEV)にしたかった」。同社商品企画本部主査の金田幸二氏は、「ロサンゼルスモーターショー2018(2018 Los Angeles Auto Show)」(2018年11月30日~12月9日)で初公開した同社初のPHEV「Crosstrek Hybrid」の開発を振り返り、こう語った(図1)。

図1 スバル初のPHEV「Crosstrek Hybrid」
図1 スバル初のPHEV「Crosstrek Hybrid」
ZEV規制を念頭に2018年末に米国で発売した。日本、欧州、中国など他市場への展開は検討中。
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 Crosstrek Hybridは、同社のSUV「Crosstrek」(日本名「XV」)をベースとするSUVタイプのPHEV。8.8kWhのリチウムイオン電池を搭載し、満充電1回当たりのモーターによる航続距離(EV走行距離)で27.2kmを実現した。2列シートで5人乗りの車両で、外形寸法は全長4465×全幅1803(ミラー含まず、ミラー含めると2022)×全高1595(ルーフレール含む)mm、ホイールベースは2664mm、車両質量は1690kgという。

 エンジンには圧縮比13.5の2.0L直噴水平対向ガソリンエンジン「BOXER」を搭載する。プラグイン・ハイブリッド・システムは、スターター兼オルタネーターのMG1と走行・回生用のMG2と呼ぶ2つのモータージェネレーター(MG)を使うMG内蔵トランスミッション(図2注1)。エンジンの最高出力は102kW、最大トルクは182N・m。MG2の最高出力は88kW、最大トルクは202N・m。システム全体の最高出力は、110kWとしている注2)

図2 Crosstrek Hybridのパワートレーン
図2 Crosstrek Hybridのパワートレーン
水平対向エンジン、MG内蔵トランスミッション、パワー・コントロール・ユニット(PCU)、電池パック、車載充電器などから成る。(画像の出所:スバル)
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注1)トヨタ自動車のシリーズ・パラレル方式の「THSII」をベースにトヨタと協業で開発した。THSIIのトランスアクスルと大きく違っているのは、縦置きエンジンと四輪駆動(4WD)化を前提に設計している点と、歯車機構をスバル独自で設計した点だ。

注2)EV走行時の最高速度は105km/h。米環境保護庁(EPA)の燃費は、コンバインドで14.9km/L(ベースのガソリン車モデルは12.3km/L)、同ガソリン等価換算燃費で38.2km/L。