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 「デトロイトモーターショー(NAIAS) 2019」が、2019年1月に開催された。燃料安や米トランプ政権による燃費規制の緩和方針などによって、ハイブリッド車(HEV)や電気自動車(EV)などの電動車両の影は薄く、米国ユーザーに根強い人気がある高性能スポーツ車が存在感を示した。

 トヨタ自動車は17年振りに復活させた高性能スポーツ車「スープラ」を公開した。日本では2019年春ごろに、米国では同年夏ごろに発売する予定である(図1)。

図1 トヨタ自動車の新型「スープラ」
図1 トヨタ自動車の新型「スープラ」
車両寸法は全長4380×全幅1865×全高1295mmで、ホイールベースは2470mm(6気筒エンジン車の場合)。米国仕様車は直列6気筒のガソリンエンジンだけを設定する。2019年夏ごろに米国で発売する。
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 5代目となる新型の日本仕様車は、排気量3.0Lで直列6気筒のガソリンエンジンと、同2.0Lで直列4気筒のガソリンエンジンを用意した。これに対して米国仕様車は、6気筒エンジンだけを設定する。

 いずれもツインスクロール方式の過給機を装着し、変速機は8速AT(自動変速機)を組み合わせる。駆動方式はFR(前部エンジン・後輪駆動)。6気筒エンジン車の最高出力は250kW、最大トルクは500N・m、停止から100km/hまでの到達時間は4.3秒である。

生産の外部委託でコストを抑える

 今回の新型車は、スポーツ車に関するドイツBMWとの提携の一環で開発した。トヨタが企画とデザインを、BMWが設計と開発を主に担当した。

 プラットフォームはBMWのスポーツ車「Z4」と共用し、エンジンも同社が供給する。また新型車の生産は、カナダのマグナ・インターナショナル(Magna International)の子会社であるオーストリアのマグナ・シュタイナー(Magna Steyr)が担当する。具体的には、BMWのZ4を受託生産する同社のグラーツ(Graz)工場で造る。量販車ではないため、生産を外部委託してコストを抑えた。

CFRPなどで70kgの軽量化

 トヨタは、レクサスブランドのスポーツクーペ「RC F」の部分改良車も公開した。2019年4月に米国で、同年5月に日本で発売する予定である(図2)。

図2 「レクサスRC F」の部分改良車
図2 「レクサスRC F」の部分改良車
ボディーにCFRPを多用したことなどで、車両質量を現行車より約70kg軽くした。2019年4月に米国で発売する。
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