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 日産自動車の“ゴーン流”の拡大路線に綻びが見えてきた。2018年度第3四半期累計(2018年4~12月)の連結決算で、売上高営業利益率は3.7%に沈んだ。2018年度通期(2018年4月~2019年3月)でも3.9%にとどまる見通しだ。元会長のカルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)氏が掲げた「利益率8%達成」の実現は見えない。同社は薄利多売の拡大路線を見直し、収益力の改善を急ぐ。

 2018年の世界販売台数を見ると、フランス・ルノー(Renault)・日産・三菱自動車連合の販売台数は前年に比べて1.4%増加の1075万6000台となった注1)。3社連合の今後について日産社長の西川広人氏は、2019年2月に開いた決算会見で、「特定の人物に権限が集中しない体制を目指す」と述べ、ゴーン時代の経営体制からの決別を強調した(図1)。

注1)日仏3社連合の世界販売台数は2年連続で1000万台を超え、ドイツ・フォルクスワーゲン(Volkswagen:VW)グループに次ぐ2位を維持した。

図1 日産自動車社長兼CEOの西川広人氏
図1 日産自動車社長兼CEOの西川広人氏
「3社連合では、特定の人物に権限が集中しない体制を目指す」と強調した。(撮影:編集部)

 3社連合の世界販売台数が増える一方で、日産の収益は悪化している。最大の要因は、営業利益全体の約40%を占める北米事業の収益力の低下である。2018年度第3四半期累計の北米事業の売上高は前年同期に比べて2.5%減少の4兆5637億円。営業利益は同15.3%増加の1149億円だったが、利益率は2.5%にとどまった。会社全体の利益率(3.7%)を下回る(図2)。

図2 地域別の営業利益
図2 地域別の営業利益
北米事業の利益率は2.5%まで改善したが、それでも会社全体の利益率を下回る。欧州とその他地域については赤字が続く。図中の数字は売上高営業利益率。日産の発表データを基に編集部が作成。
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