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 自動運転技術はあくまで手段である。無人で走れることをアピールする段階は終わり、移動をより快適で安全なものにするための技術開発が活発になってきた。“移動する箱”の価値の源泉となるのが、快適な車内空間を実現するためのシステムや、安全性を担保する高精度な自動運転技術だ。

 「猫もしゃくしも“e-Palette風”だ」─。2019年1月に米国ラスベガスで開催された世界最大級のテクノロジー関連の展示会「CES 2019」を視察した、ある自動車メーカーの幹部は率直な感想を口にした。

 もはや説明不要かもしれないが、「e-Palette」とは、トヨタ自動車が開発したMaaS(Mobility as a Service)用の自動運転車のこと。「CES 2018」で発表し、1年を経てe-Paletteに近いコンセプトの車両が続々と登場した(図12)。

図1 Kia Motorsが開発したMaaS向けの自動運転EV
図1 Kia Motorsが開発したMaaS向けの自動運転EV
CES 2019のブースで10台以上並べた。乗員の気分に合わせて車内環境を自動制御するシステムを搭載した。(撮影:編集部)
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図2 Boschの自動運転シャトルのコンセプト車
図2 Boschの自動運転シャトルのコンセプト車
4人乗りの車両で、Boschが保有する技術を多く搭載した。具体的には、電動パワートレーン「eAxle」や自動運転のための周辺監視センサー、人工知能(AI)を備える車載コンピューター、V2X(Vehicle-to-everything)のための通信ユニットなど。(撮影:編集部)
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 各社がMaaS車両に群がるのは、巨大な新市場への期待感の表れだ。ドイツ・ボッシュ(Bosch)は、「2020年には100万台の自動運転シャトルが公道を走っているだろう。2025年には250万台に拡大する」(同社北米法人Presidentのマイク・マンスエッティ(Mike Mansuetti)氏)と予測する。金額に換算すると、MaaS車両の市場規模は2022年には1400億ユーロ(1ユーロ=130円換算で18兆2000億円、以下同じ)に達するという。