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 三菱電機がハイブリッド車(HEV)向けのモーターやインバーターの事業を強化する。磁石を左右非対称に配置した新型の駆動用モーターを開発し、早ければ2020年度に事業化を開始する。次世代のインバーターも用意しており、「フルSiC(炭化ケイ素)」品を24年度以降に事業化する見通しだ。

 同社は現状、簡易HEV向けのISG(モーター機能付き発電機)をドイツ・ダイムラー(Daimler)に供給している注1)。採用車種はセダン「Sクラス」などだ。ISGのモーター出力は10k~20kWと小さい。三菱電機は今後、HEVや電気自動車(EV)の駆動用モーターの領域に事業を広げる戦略だ。

注1)ISGは、スターターとして加速時のトルクアシストや、発電機(ジェネレーター)として車両減速時の回生などの役割を担う補助モーターである。

 19年2月に開いた研究開発成果披露会で、20年度以降の事業化を見据えた駆動用モーターを初めて展示した。2モーター式HEV向けで、駆動用と発電用のモーターを備える。SiCインバーターを内蔵するパワーユニットと組み合わせて提案した(図1)。駆動用モーターとSiCパワーユニットの冷却機構を統合したシステムも用意する注2)

図1 三菱電機が開発したモーターとパワーユニット
図1 三菱電機が開発したモーターとパワーユニット
2モーター式HEV向けで、駆動用と発電用の2つのモーターを備える。SiCインバーターを内蔵するパワーユニットと組み合わせる。モーターとパワーユニットの冷却機構を統合した「油−水熱交換器」も用意した。(撮影:編集部)
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注2)モーターは油冷でパワーユニットは水冷だが、両者の間に「油-水熱交換器」を搭載した。これにより、油冷と水冷でそれぞれ必要だったラジエーターを1個に減らした。油-水熱交換器はヒートポンプ式の給湯機などで使われてきた技術で、自動車用途に転用した。