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 2019年3月、福島県いわき市で燃料電池車(以下、FCV)用の水素ステーションの開所式が行われた(図1)。建設したのは地元でガソリンスタンドなどを経営する根本通商。水素ステーションはFCVの普及になくてはならないインフラだが、建設費や運営費が高く、いくら国が音頭を取っても経営に乗り出す企業は少なかった。それに地方都市の中小企業が手を挙げた。

図1 いわき鹿島水素ステーション
図1 いわき鹿島水素ステーション
開所式には近隣のFCV「MIRAI」が集結。当面はFCVのレンタカー事業などを通じ、顧客拡大を目指すとのこと。(写真:根本通商)
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 FCVがある程度普及するまでは、水素ステーションの経営は成り立たない。一方で、水素ステーションが増えない限り、FCVは売れない。この「ニワトリと卵」の関係に終止符を打つため、FCVを手がける自動車メーカーや水素エネルギー企業が集まり、2018年2月に日本水素ステーションネットワーク合同会社(JHyM:ジェイハイム)という会社を設立した。

 政府は、日本にまだ100カ所程度しかない水素ステーションを2025年までに320カ所(FCV20万台分)、2030年には900カ所(同80万台分)まで増やす目標を掲げている。JHyMは、技術の標準化や規制緩和、資金援助などを通じて、この目標の実現を支援する組織だ。その最初の成果が、この「いわき鹿島水素ステーション」となった。