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 フランス・ヴァレオ(Valeo)は、車内に置き去りにされた幼児やペットの存在を検知するシステムを開発した(図1)。天井に79GHz帯のミリ波レーダーを配置することで、熱中症による死亡事故を抑制する。2022年の量産を目指す。

図1 布をかけたキャリーケースの中にいる犬を検知
図1 布をかけたキャリーケースの中にいる犬を検知
ヴァレオジャパンが2019年5月に披露したデモの様子。検知システムのデモ画面では人が座っているアイコンになっているが、これは人か犬かを判別せずに「生体」として検知しているため。(撮影:日経Automotive)
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 Valeoが実用化の時期を2022年に設定したのは、自動車の安全性を評価する欧州機関「EuroNCAP」の動向を見据えてのもの(図2)。EuroNCAPは、幼児置き去り検知システムを備えた車両に対し、2022年以降に評価上のインセンティブを与える方針である。最高評価の5つ星を獲得するために、自動車メーカーは「幼児置き去り検知システムの採用は避けて通れない」(ヴァレオジャパンビジネスデベロップメントCICイノベーティブマネージャーの小谷純也氏)。

図2 幼児置き去り検知システムの評価は2022年から
図2 幼児置き去り検知システムの評価は2022年から
EuroNCAPのロードマップを示した。現在は、評価方法や試験シナリオをまとめたプロトコルを作成している段階。EuroNCAPの資料を基に日経Automoitveが作成。
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 幼児置き去り検知システムへの関心が高まっているのは欧州だけではない。北米でも「搭載の義務化に向けた議論が始まっている」(同氏)。「米国だけで年間30~50人の子どもが車内の置き去りによって熱中症で命を落としている」(同氏)という事実が背景にある。日本でも毎年、夏になると悲しい事故が報告されるだけに、取り組む意義は大きいだろう。

 Valeoが開発したシステムは、幼児に加えてペットの置き去り検知も可能だ。開発に協力したペット保険大手のアニコムホールディングス経営企画部課長の石原玄基氏は、「犬の熱中症発生件数は増加傾向にあり、(日本だけで)年間700件前後に上る」と語る。熱中症の事案は4月ごろから増え、「暑い日であれば、車内に30分から1時間置き去りにされれば命の危険が生じる」(同氏)という。