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 日産自動車は、直列4気筒で排気量2.5Lの新型自然吸気ガソリンエンジンに、樹脂製の吸気ポートを採用した。「世界初」(同社)といえ、エンジン燃焼時の吸気通路への熱伝達を抑えられる。吸入空気を増やして、出力を約1.5kW高めた。トヨタ自動車の2.5Lエンジンに匹敵する性能を実現する。

 北米の主力車種「アルティマ」の2019年モデルに搭載するエンジン「PR25DD」に、新しい吸気ポートを採用した(図1)。最高出力は、従来機「QR25DE」に比べて6kW増の140kWに達する。

図1 アルティマの外観
図1 アルティマの外観
(出所:日産)
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 加えて、電動可変バルブタイミング(VVT)機構やクールドEGR(排ガス再循環)、直噴などを新しく採用し、燃費性能を高めた。新型機を搭載したアルティマのEPA燃費は、複合モードで1MPG(マイル/ガロン)増の32MPG(約13.6km/L)になった。

 アルティマと競合するトヨタ「カムリ」に採用する2.5Lエンジンと比べて、燃費性能はほとんど同じだが、最高出力は約8%劣った。

 トヨタの2.5L機は、「TNGA」と呼ぶ新プラットフォームの投入と併せて、エンジンブロックを含めて全面刷新した機種。一方で日産の2.5L機は、ブロックなどの基本構成は従来機を踏襲したとみられる。善戦してトヨタに近い性能水準にこぎ着けたが、上回るまでに至らなかった。

 なおアルティマでは2.5L機に加えて、画期的な可変圧縮比機構を採用したターボエンジン「KR20DDET」の搭載車種を用意する。先代のV型3.5Lエンジン搭載車の後継と位置付ける。