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 自動車メーカー7社の2019年度第1四半期(2019年4~6月期)連結決算は、増収増益の「好調組」と、減収減益の「不調組」に分かれた。米国や中国などの自動車市場の減速、為替変動の影響、原材料費の上昇といった収益を悪化させる要因があった中で、トヨタ自動車とSUBARU(スバル)が増収増益を達成した。日産自動車やホンダ、マツダなどの5社は減収減益だった。事業改革の成果などで明暗が分かれた。

 トヨタの2019年度第1四半期の営業利益は、前年同期に比べて8.7%増加の7419億円だった。第1四半期の実績としては過去最高である(図1)。世界販売台数は230万3000台で、前年同期に比べて2.9%増えた。日本と欧州、中国を含むアジアで販売を増やし、北米とその他地域の減少を補った(図2)。

図1 自動車7社の営業利益
図1 自動車7社の営業利益
日産の営業利益は16億円まで落ち込んだ。各社の発表データを基に日経Automotiveが作成。(  )内は売上高営業利益率。
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図2 世界販売台数
図2 世界販売台数
トヨタとスバルに加えて、ホンダと三菱も販売台数を増やした。各社の発表データを基に日経Automotiveが作成。(  )内は前年同期比。
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 同社副社長の吉田守孝氏は、「これまで取り組んできた構造改革の成果が出始めた」と話す。ただ、自動車業界にはCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)という技術トレンドが押し寄せており、他社との競争は激しさを増している。先端分野への研究開発投資など、収益を悪化させる要因は多い。吉田氏は「慢心している状況ではない。構造改革を加速していく」と強調する。