ホンダは2019年8月、米国の開発拠点であるHonda R&D centerが、新しいエアバッグを開発したと発表した(図)。このエアバッグは助手席用で、斜め前方から衝突された際の頭部保護性能を向上させた。新しいエアバッグは2020年からのモデルに搭載する予定。
次世代エアバッグの開発と試験は、Honda R&D centerと自動車安全装置のサプライヤーであるスウェーデン・オートリブ(Autoliv)が共同で進めた。オハイオ州にあるホンダの安全研究センターで研究とテストを実施したほか、エンジニアが実際の衝突事故を研究した。斜め前方からの衝突では横からの衝突力が強く、頭部が大きく横に振られエアバッグからすべり落ちることがあり、重傷を負いやすい。新エアバッグは様々な前方衝突で怪我をする可能性を減らすように設計したという。
頭部を包みこんで保護
従来の全体が一様に膨らむシステムとは異なり、新システムは四つの部位に分けられる。エアバッグはセンターと両サイドの三つに分かれており、幅が広がったことでダッシュボード全体をカバーできるようになった。また、両サイドを「セイルパネル」と呼ばれる布材でつないでいる。野球のキャッチャーミットのようなもので、セイルパネルで乗員の頭部を捕えて減速すると同時にセンターエアバッグへ寄せて、サイドエアバッグで横ずれを防ぐことで怪我をしないように保護する注)。
注)同社は、衝突回避もしくは被害軽減に役立つパッシブおよびアクティブ・セーフティー・システムの開発を続けている。ACE(Advanced Compatibility Engineering)ボディ構造のような高度なパッシブ・セーフティー・システムに加え、「Honda Sensing」や「AcuraWatch」などの安全支援システムを積極的に展開している。米国では2019年型以降のモデルには、標準装備もしくはオプションで利用可能になっており、2022年型以降はほぼすべてのモデルで標準化する計画だ。
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