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ロアアームのブシュの位置を見直す

 ブレーキを踏んだ時の車両前側の沈み込みをブレーキを踏み込むほど小さく抑えるための見直しも、前部のサスペンションで実施している。高速領域で大きな制動力をかけたときの車両の前傾を減らすことで、運転者の視線の動きを減らして疲れにくくした。逆に、低速領域では軟らかい乗り心地にしている。

 それを可能としたのが、前部のサスペンションとして使うストラット式のロアアームを取り付ける前後2つのブシュの配置である。後方のブシュ(No.2ブシュ)の位置を車両のセンター側に寄せた(図5)。こうした幾何形状にすることで、制動力を加えたとき、従来はダンパーのストロークが小さいほどダンパーのコイルが動きにくかったものを、ストロークが大きいほど動きにくく変えたという。

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図5 前部のサスペンションとロアアームのNo.2ブシュ
図5 前部のサスペンションとロアアームのNo.2ブシュ
左の写真が床下の鏡に映った前部のサスペンション。左下側が車両前方。ストラット式を採用する。右の写真がロアアームのNo.2ブシュ。(撮影:日経 xTECH)
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 従来、No.2ブシュを車両の外側に配置せざるを得なかった。「No.2ブシュはサイドメンバーとサスペンションメンバーとボディー骨格に共締めする。このため、センターに寄せると衝突安全性能やエンジンコンパートメントの空間に影響が及ぶため」(同社の技術者)だと説明する。