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 三菱電機は2019年10月、自動運転車のコンセプトキャビン(乗員室)「EMIRAI S」を開発した。「MaaS(Mobility as a Service)」時代のクルマの室内を想定したもので、安全・安心な移動と、車内外との快適なコミュニケーションの実現を提案した。2020年に実用レベルの技術を確立し、2022~23年の事業化を目指す。

 安全・安心な移動を支援するシステムは、SAE(米自動車技術会)が定める「レベル3」と「レベル4」に対応する(いずれのレベルも、一定の条件で操作の責任をシステムが負う)。運転席側のインストルメントパネル上部に装着した近赤外線カメラを使って、運転者の状態を検知する。SUBARU(スバル)の中型SUV(多目的スポーツ車)「フォレスター」などに採用されている三菱電機の運転者状態監視システム(DMS)を改良した。

運転者の体調の急変などを検知

 フォレスターなどに採用されているシステムは、近赤外線カメラで運転者の顔の向きを検知して、わき見運転や居眠りを警告する。これに対して、コンセプトキャビンに搭載したシステムは、近赤外線カメラで運転者の顔の向きだけでなく、脈拍も計測する(図1)。

図1 三菱電機のコンセプトキャビン
図1 三菱電機のコンセプトキャビン
ステアリング裏のインストルメントパネル上部に内蔵した近赤外線カメラで、運転者の脈拍を計測する。(撮影:日経Automotive)
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 脈拍に伴う血液量の変動によって、肌の明るさ(輝度)はわずかに変化している。この輝度変化を近赤外線カメラで検知して、運転者の脈拍を計測する。フォレスターなどに搭載されている「フェイストラッキング技術」(顔の向きを追尾する技術)を応用することで、脈拍の計測を可能にしたという。

 さらに、助手席側の天井に取り付けた温度センサーによって、運転者の体表温度を計測する(図2)。近赤外線カメラで計測した脈拍と、温度センサーによって得られた体表温度を解析し、運転者の状態を推定する。

図2 温度センサー
図2 温度センサー
助手席側の天井に取り付け、運転者の体表温度を計測する。(撮影:日経Automotive)
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 これらのシステムを用いて運転者の体調の急変を検知して、運転が継続できないと判断すると、安全を確認した上で路肩などに自動で停止させる。各乗員の状態に応じて空調や照明などの車内環境を最適化するといった使い方もできる。