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 トヨタ自動車が2020年2月に発売予定の新型の小型車「ヤリス」は、引っ張り強さが1.5GPa級のホットスタンプ(高張力鋼板の熱間プレス材)をボディーの主要骨格に適用して衝突安全性能を高めた。小型車も1.5GPa級のホットスタンプを使わないと、燃費規制と衝突安全への対応が難しくなってきたことを示す。小型車へのホットスタンプの適用ではホンダが先行する。トヨタは新型ヤリスで、ホンダを追い上げる。

 小型車へのホットスタンプの適用で先行するホンダは、2013年発売の現行「フィット(3代目)」のボディー骨格に、1.5GPa級のホットスタンプを採用した。対するトヨタは新型ヤリスのボディー骨格に、1.5GPa級のホットスタンプを適用し、先行するホンダを追い上げる(図1)。

図1 トヨタの新型「ヤリス」
図1 トヨタの新型「ヤリス」
TNGAに基づくBセグメント車向けPF「GA-B」を初めて適用し、軽量・高強度のボディーを実現した。(撮影:日経Automotive)
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 トヨタは2018年から2019年にかけて順次発売した新型「カローラ」3車種のボディー骨格にも、1.5GPa級のホットスタンプを使っている。これらの3車種は、同社の車両設計・開発手法「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」に基づくCセグメント向けプラットフォーム(PF)「GA-C」を適用した中型車である(図2)。

図2 トヨタの新型ワゴン「カローラツーリング」
図2 トヨタの新型ワゴン「カローラツーリング」
TNGAに基づくCセグメント車向けPF「GA-C」を適用した。セダンの「カローラ」とハッチバック車の「同スポーツ」も同じPFだ。(撮影:日経Automotive)
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