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 国土交通省は、登録車や軽自動車への自動ブレーキの搭載を義務化する。高齢者の運転操作ミスなどによる死亡事故を減らすための緊急対策を2019年12月に発表した。自動車メーカーに対して自動ブレーキの搭載を義務付けると共に、同ブレーキの性能を認定する制度を導入する。2020年1月に、国内基準を整備する。

 国交省が自動ブレーキの搭載を義務化することを決めた背景には、高齢運転者による死亡事故が増えていることがある。警察庁の調査によると、2018年に死亡事故を起こした75歳以上の運転者は460件で、2017年に比べて42件増えた。

 2008年から2018年の推移を見ると、高齢運転者による死亡事故の件数は400件を超え、横ばいの状態が続く。同期間の死亡事故全体の件数は減少傾向にあり、全体に占める高齢運転者の比率は高止まりしている(図1)。

図1 高齢運転者による死亡事故件数の推移
図1 高齢運転者による死亡事故件数の推移
高齢運転者による死亡事故の件数は横ばいであり、死亡事故全体に占める高齢運転者の比率は増加傾向にある。(出所:警察庁)
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 こうした状況に歯止めをかけるため国交省は、自動ブレーキの搭載を義務化する。ただ、その時期は車種によって異なる。国産の新型車は2021年11月、輸入の新型車が2024年6月ごろである。

 新型車以外の車両(継続生産車)については、猶予期間を設けた上で搭載を義務化する。その時期は国産車が2025年12月、輸入車が2026年6月ごろになる予定である注)

注)国産軽トラックの継続生産車は、2027年9月から搭載を義務化する。