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 神戸製鋼所は、アルミニウム(Al)合金と高張力鋼板を低コストで強固に結合できる接合法を開発した。既存の鋼用アーク溶接機やレーザー溶接機を使え、管材(パイプ材)などの中空材の接合に適用できる。燃費規制が厳しい欧州や中国の自動車メーカーへの提案を強化し、異種材料で構成する(マルチマテリアル)ボディー骨格向けの接合法として、早期の実用化を目指す。

 異種材料構成のボディー骨格を組み立てる際に適用する接合法は現在、機械的接合法が中心である。最近の車両を見ても、ドイツBMWの「X7」やトヨタ自動車の「レクサスLC」、中国の新興電気自動車(EV)メーカーである上海蔚来汽車(NIO)の「ES8」などは、Al合金と鋼板の接合に、「SPR(セルフ・ピアシング・リベット)」や「FDS(フロー・ドリル・スクリュー)」、「TOX(トックス:かしめ接合)」といった機械的接合法と構造用接着剤を併用している()。

表 異種材料構成ボディーの例
燃費規制が厳しい欧州や中国の自動車メーカーでは、Al合金と鋼板で構成するボディーの普及が進む。神戸製鋼の調査データを基に、日経Automotiveが作成。
表 異種材料構成ボディーの例
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 これらの機械的接合法は板材同士の接合を対象にしたもので、管材などの中空材には使えない。さらに専用設備が必要で、接合コストが高くなる。

 神戸製鋼がFA装置大手のファナックと共同開発した「エレメントアークスポット溶接法(EASW)」は、通常の鋼用アークスポット溶接機を使えるため、低コストでAl合金と鋼板を接合できる(詳細は本誌2018年9月号 「鋼とアルミを接合するロボット、カメラで位置決め精度を高める」参照)。

 ただ、この接合法も現行の械的接合法と同様に、板材にしか適用できない。管材など板材以外に適用できる低コストの接合法を実現できれば、異種材料構成のボディー骨格の普及を後押しする可能性がある。