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 ドイツBosch(ボッシュ)は、車両側方を監視するミリ波レーダーの新世代品を2020年内に投入する。後側方用のミリ波レーダーを量産中だが、車両前方への搭載を想定した側方レーダーは今回が初めて。交差点での事故を予防するための緊急自動ブレーキや自動運転の需要の高まりに対応した。

 同社のADAS(先進運転支援システム)部門の19年における売上高は前年比12%増と好調だが、逆風もある。ホンダはボッシュからADAS用センサーを調達してきたが、20年2月に発売した新型「フィット」でサプライヤーをフランスValeo(ヴァレオ)に変更した。ボッシュは、自動車メーカーが直面している「交差点対応」という局面に新センサーを投入することで巻き返しを図る。

 ボッシュ日本法人で社長を務めるKlaus Meder(クラウス・メーダー)氏が、20年6月に開いた年次会見で新型センサーの量産計画を明かした(注1)。メーダー氏は、「側方監視用のミリ波レーダー市場は20年から27年にかけて年率15%で成長し、市場規模は2.6倍に拡大する」と読む。

図 ボッシュ日本法人で社長を務めるクラウス・メーダー氏
図 ボッシュ日本法人で社長を務めるクラウス・メーダー氏
手に持っているのが、20年内に投入する新型の側方レーダーである。記者会見はオンラインで実施した。(出所:ボッシュ)
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注1)用途が異なるので厳密には比較できないが、従来の側方レーダーで80mだった検知距離は、今回の新製品では160mに延ばした。検知角度は従来品と同様に150度である。使用する周波数帯域はいずれも77GHz帯。

 側方レーダーはこれまで車両の後側方監視用に2個搭載されてきた。今後は、「車両の前後左右4カ所に搭載されていく」(同氏)という。4個の側方レーダーがあれば、周囲360度の状況を把握できるようになる。

 側方レーダーの搭載を加速させる最大の理由が、欧州で自動車アセスメントを手掛けるEuroNCAPへの対応だ。EuroNCAPは、交差点での事故を想定した自動ブレーキ試験を20年に導入する注2)

注2)日本の自動車アセスメントであるJNCAPも同様の試験項目を23年に追加する予定である。

 欧州や米国では交通事故の約25%が交差点で発生しているとされる。日本ではその割合は同37%とさらに高い。ボッシュの調査によると、側方レーダーを使った緊急自動ブレーキ機能と発進防止機能によって、「交差点で発生している交通事故を最大で41%防ぐか衝突被害を軽減できる」(メーダー氏)という。

 自動運転車の実用化も側方レーダーの搭載を後押しする。トヨタ自動車やホンダ、SUBARU(スバル)をはじめ、各社は自動運転車の4隅に側方監視用のミリ波レーダーを搭載する方針である。

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