トヨタ自動車は、小型SUV(多目的スポーツ車)「C-HR」の自動ブレーキを、交差点の右左折に対応させた。同ブレーキを、2020年8月に発売した部分改良車に搭載した。トヨタの車両では現在、小型車「ヤリス」とレクサスブランドの中型セダン「IS」の自動ブレーキが交差点に対応している。今回の部分改良車は、交差点対応の自動ブレーキを搭載する3車種目となる。
C-HRが属する日本の小型SUV市場は、ホンダの「ヴェゼル」や日産自動車の「キックス」、マツダの「CX-30」など多くの競合車が参入する激戦区である。ただ、これらの車両の自動ブレーキは現在、交差点に対応していない注1)。トヨタは自動ブレーキの交差点対応で、これらの競合車に先行した(図)。
C-HRの部分改良車には、ヤリスやレクサスISと同じトヨタの最新の先進運転支援システム(ADAS)「Toyota Safety Sense(第2世代):TSS2」の改良版を搭載した。自動ブレーキのセンサーには、単眼カメラとミリ波レーダーを使う。
このうち、主に単眼カメラのソフトウエアを改良して、自動ブレーキを交差点に対応させた。カメラのハードウエアの仕様は変更していない。この改良型カメラを使い、交差点の右折時における対向車や、右左折時に前方から横断してくる歩行者を検知して、自動でブレーキをかける注2)。
緊急時の操舵支援も実現
今回の部分改良車は、「緊急時の操舵支援」や「低速時の加速抑制」の機能も搭載した。国内初採用となる前者の機能では、単眼カメラを使う。走行車線の左脇にいる歩行者をカメラで検知し、歩行者との衝突を回避するための運転者の操舵をシステムが支援する。具体的には、衝突を回避しながら走行車線からの逸脱も防ぐ。
後者の機能では、前部バンパーに装着した超音波センサーを使う。車両前方に壁などの障害物がある状態で、停車または徐行状態からアクセルペダルを強く踏み込んだときに、エンジンの出力を抑制し、弱いブレーキをかけることで急発進を防ぐ。
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