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 CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティング会社のJ.D.パワー ジャパンは2020年8月、「2020年日本自動車初期品質調査(IQS)」の結果を発表した(図)。ブランド別ランキングで、ホンダが51ポイントで初めて首位となった。高級車ブランドではレクサスが首位で、総合では4位となった。

図 2020年日本自動車初期品質調査のブランド別ランキング
図 2020年日本自動車初期品質調査のブランド別ランキング
100台当たりの不具合指摘件数をスコア化した。スコアが低いほど品質が高い。(出所:J.D.パワー ジャパン)
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 この調査は新車を購入してから2〜9カ月経過したユーザーを対象に、ユーザーの不具合経験を調べたもの。調査項目は「外装」「走行性能」「装備品/コントロール/ディスプレイ(FCD)」「オーディオ/コミュニケーション/エンターテインメント/ナビゲーション(ACEN)」「シート」「空調」「内装」「エンジン/トランスミッション」の8分野に渡る233項目。100台当たりの不具合指摘件数をスコア化した。スコアが低いほど品質が高い。

 業界平均スコアは60ポイントで、前年より6ポイント改善した。また、現在の調査項目になった2014年と比べて6年間で24ポイントと大幅に改善している。最も改善が進んだ分野は「エンジン/トランスミッション」(6.6ポイント減)で、自動変速機や無段変速機の変速中のもたつきやシフトタイミングが悪いといった項目が改善した。次いで「内装」(5.4ポイント減)は、カップホルダーの使いにくさや室内の不快なにおいなどで不具合指摘件数が減少したという。

 一方、安全装備や先進技術では不具合指摘件数が増加したものもある。2014年より最も悪化したのはモバイル端末と車両のBluetoothでの接続不良だ。次いで音声認識機能の認識不良、車線逸脱警告のスイッチ類や表示の分かりにくさなどが挙げられる。これらは装備率増加が不具合指摘件数の増加要因となっている。

 新車購入時に直前と同じブランドの新車を購入したユーザーの不具合指摘件数は58ポイントだった。これに対し、異なるブランドの新車を購入したユーザーは67ポイントとなり、車両品質に対して厳しい評価をする傾向が見られる。この傾向は大衆車ブランドより高級車ブランドで顕著だった注)

注)この調査では、不具合指摘とは別に品質に対する総合的な評価を10段階で測定している。2014年の平均7.66ポイントに対し、2020年の平均は7.68ポイントでほとんど変化が見られない。品質改善は着実に進んでいるものの、ユーザーの品質に対する満足度は向上していないことが分かった。J.D.パワーは「新たな品質のテーマとして顕在化しつつある安全装備や先進技術関連機能の品質向上と、他ブランドからの買い替えユーザーの不具合指摘を減少させるための研究が不可欠である」とし、これらの解決策を提示することが満足度向上につながると見る。また、同社は2021年には調査モデルを見直し、品質調査の設計を変更し内容を強化する予定だ。