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 日産自動車の小型SUV(多目的スポーツ車)の新型「キックス」は、小型車向けプラットフォームの改良版を適用した。ボディー骨格にホットスタンプ(高張力鋼板の熱間プレス材)を使わず、衝突安全に対応した(図1)。他社の小型車はホットスタンプを使う場合が多いが、「できるだけ高張力鋼板の冷間プレス材を使う」のが日産の基本的な考え方だ。

図1 小型SUVの新型「キックス」
図1 小型SUVの新型「キックス」
小型車向け現行PFの改良版を適用した。ボディー骨格にホットスタンプを使わずに、衝突安全に対応した。(撮影:日経Automotive)
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 世界の衝突安全に対応するため、最近の国産車は小型車を含めて、ボディー骨格にホットスタンプを適用するケースが増えている。トヨタ自動車の小型車「ヤリス」やホンダの同「フィット」、マツダの小型SUV「CX-30」などは、引っ張り強さが1.5GPa級のホットスタンプをセンターピラーなどに使う。これに対して、日産の新型車はコストが高いホットスタンプを使わず、高張力鋼板の冷間プレス材でボディー骨格を構成した。

CMFを適用せず現行PFを改良

 日産のA/Bセグメント向けプラットフォーム(PF)には、「マーチ」や「ノート」などに適用している「Vプラットフォーム」がある。日産オートモーティブテクノロジー車両プロジェクト統括部でプロジェクト推進グループ主担の向山高志氏は、「新型車にはVプラットフォームを改良して適用した」という。

 一方、同社の小型車向けPFには、モジュール化を前提とする「CMF(Common Module Family)-A/B」もある。ただ、同PF適用車の開発は、フランスRenault(ルノー)が主導している。日産が開発を主導するのは、中型車向けプラットフォーム「CMF-C/D」の適用車が中心だ。

 こうした事情から、新興国や日本などに向けた日産ブランドの小型車には、Vプラットフォームを改良して適用している車種が多い。タイで造り日本に輸入する今回の新型車もその1例である。

 日産は、引っ張り強さが780MPa級以上の高張力鋼板を「超高張力鋼板」と定義する。改良前のPFを使うノートの場合、ボディー骨格への超高張力鋼板の使用比率(質量比、以下同じ)は7%にとどまる。

 その内訳は1.2GPa級が2%、980MPa級が2%、780MPa級が3%である。高張力鋼板のうち、440MPa級の比率が27%で最も高い。側面衝突に対応するためサイドシルは980MPa級、フロア・クロス・メンバーは780MPa級を使うが、センターピラーやフロントピラーは440MPa級である(図2)。

図2 現行ノートのボディー骨格
図2 現行ノートのボディー骨格
改良前のVプラットフォームを適用。高張力鋼板のうち、440MPa級の使用比率が最も高い。日産自動車の資料を基に、日経Automotiveが作成。
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