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 トヨタ自動車は2020年9月、ソフトウエアの更新によって既販車に搭載している自動ブレーキの機能を向上させる取り組みを始めた。昼間の車両だけに対応している既販車の自動ブレーキを、昼間の歩行者も検知できるようにして、予防安全性能を強化する。夜間歩行者や交差点の右左折には対応しない。

 20年9月に小型車の「アクア」と「ヴィッツ」への対応を始めた()。同年10月以降、中型ミニバン「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」や小型ミニバン「シエンタ」など合計11車種に対象を広げる計画である注)

図 小型車「アクア」の既販車
図 小型車「アクア」の既販車
TSS-Cを搭載し、15年11月に発売した。(出所:トヨタ自動車)
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注)対象車種はアクアとヴィッツ、ノア/ヴォクシー/エスクァイア、シエンタの6車種のほかに、小型車「ポルテ/スペイド」、商用バン/ワゴン「プロボックス/サクシード」、タクシー向け車両「ジャパンタクシー」の5車種である。

 トヨタの先進運転支援システム(ADAS)「Toyota Safety Sense(TSS)」には現在、4種類ある。(1)過去に「TSS-C」と呼んでいたシステム、(2)過去に「TSS-P」と呼んでいたシステム、(3)最新版の第2世代TSS「TSS2」、(4)TSS2の改良版である。第1のシステムは自動ブレーキ用センサーとして、レーザーレーダーと単眼カメラの一体型ユニットを使う。第2と第3、第4のシステムは、ミリ波レーダーと単眼カメラを搭載する。

 今回は第1のシステム(TSS-C)を搭載する既販車について、単眼カメラの画像認識ソフトなどを更新し、昼間の車両に加えて歩行者も認識できるようにする。ソフトの更新費用は4180円(消費税込み、作業費別)。全国のトヨタ系列販売店で更新作業を行う。

 ソフト更新後の自動ブレーキは、歩行者に対して約10~65km/hの速度域で作動し、衝突を回避あるいは衝突の被害を軽減する。車両に対しては、約10~80km/hの速度域で作動する。

 なお4種類のTSSのうち、第2のシステム(TSS-P)の自動ブレーキは、昼間の車両や歩行者に対応する。第3のシステム(TSS2)の自動ブレーキは昼間の車両や歩行者、夜間歩行者に対応しており、主にカメラのハードウエアとソフトウエアを改良して実現した。

 一方、第4のシステム(TSS2改良版)の自動ブレーキは昼間の車両や歩行者、夜間歩行者に加え、交差点の右左折における車両や歩行者を検知する。TSS2で使うカメラのハードの仕様は変更せず、ソフトの改良で交差点対応を実現した。