全833文字
PR

 日立オートモティブシステムズの小型ステレオカメラが、いすゞ自動車の小型ピックアップトラックの新型「D-MAX」に採用された。同カメラは既に、いすゞの小型トラック「エルフ」に採用されている。同社の車両への採用は、エルフに次ぐ。いすゞは日立のステレオカメラを採用することで、新型車の予防安全性能を強化した(図1)。

図1 いすゞ自動車の新型「D-MAX」
図1 いすゞ自動車の新型「D-MAX」
20年9月に豪州で発売した。今後、他の地域でも販売する計画である(出所:いすゞ自動車)
[画像のクリックで拡大表示]

 日立オートモティブの小型ステレオカメラは、従来品に比べてCMOSイメージセンサーのダイナミックレンジを広く、レンズのF値注)を小さくして、カメラの感度を2倍に高めた。ハードウエアの改良を最小限にして、コスト増加を抑えた。また、画像認識プロセスに機械学習を適用した。こうした改良によって、同カメラをセンサーに使う自動ブレーキを昼間の車両や歩行者に加えて、夜間の歩行者にも対応できるようにした(図2)。

注)レンズの焦点距離を有効口径で割った値。レンズの明るさを示す指標として用いる。F値が小さいほどレンズは明るく(レンズを通る光量を多く)、露光時間を短く(シャッター速度を速く)できる。
図2 新型車に採用された小型ステレオカメラ
図2 新型車に採用された小型ステレオカメラ
同カメラを使う自動ブレーキは、夜間歩行者に対応する。(出所:日立オートモティブシステムズ)
[画像のクリックで拡大表示]