独Audi(アウディ)が、二酸化炭素(CO2)の排出と吸収を同じにするカーボンニュートラル(炭素中立)の実現に力を注いでいる。世界5工場のうち、これまで2工場で早くも実現した。欧州で検討が進む、自動車のライフサイクル全体でCO2排出量を評価するLCA(Life Cycle Assessment)規制の導入に備える。
Audiは、独Volkswagen(フォルクスワーゲン)グループで先進的な研究開発を担う。Audiが実現したカーボンニュートラル工場の経験を、今後グループ全体に波及させるとみられる。
2020年11月23日、カーボンニュートラルに向けた取り組みの進捗を発表した。Audiは25年までに、世界の工場でカーボンニュートラルを実現する目標を掲げている。LCAの観点で、車両生産時のCO2排出量を減らす取り組みは重要になる。
18年から電気自動車(EV)「e-tron」を生産するベルギー・ブリュッセル工場で達成し、20年10月にはハンガリー・ジェール工場でも実現したと発表した(図1、2)。残る3工場(独インゴルシュタット工場、独ネッカーズルム工場、メキシコ・サンホセチアパ工場)についても順調で、現段階では取り組む前に比べて70〜75%の排出量削減を実現しているという。