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 新型コロナウイルス禍からの業績回復を目指す日本の自動車各社に、新たな課題が浮上した。コロナ禍が引き起こした車載半導体の不足問題である。半導体を搭載する部品の需給がひっ迫し、各社が世界販売の下方修正に追い込まれる中で、トヨタ自動車は影響を最小限に抑えた。リーマン・ショックや東日本大震災などを教訓にして、サプライヤーとの関係を強化してきたことが寄与した。

 新型コロナの感染拡大によって2020年度上期(20年4~9月)の世界の自動車市場は縮小し、自動車各社の世界販売台数は激減した(図1)。需要減少によって各社は、半導体を搭載する部品の調達量を減らした。

図1 世界の自動車市場(万台)
図1 世界の自動車市場(万台)
20年度上期の市場は前年同期に比べて25.2%減だったが、同第3四半期累計では同16.2%減まで回復した。台数は千の位を四捨五入のため、全体と内訳の合計が一致しない。( )内は前年同期比の増減率。日産自動車の発表データを基に日経Automotiveが作成。
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 これを受けて世界の半導体メーカーは車載半導体の生産を抑え、コロナ禍によって需要が盛り上がったパソコンやスマートフォン、ゲーム機などに向けた製品の生産に軸足を移した。その背景には、リモートワークや在宅勤務の浸透のほか、外出自粛要請によるゲーム機の人気の高まりなどがあった。