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 日産自動車は、発電専用ガソリンエンジンの最高熱効率が50%に達する見通しを発表した。世界最高水準で、ハイブリッド車(HEV)の燃費性能を大きく高められる(図1)。2025年ごろまでの技術確立を目指すとみられ、その後量産する。30年代早期に主要市場に投入する新型車全てを電動化する方針の日産にとって、電気自動車(EV)と並ぶ切り札にする。

図1 日産のe-POWER用エンジン開発の試験装置
図1 日産のe-POWER用エンジン開発の試験装置
現時点の実験では46%達成に成功。(撮影:日経Automotive)
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 エンジンで発電機を動作し、その電力でモーターを駆動するシリーズ方式の独自HEV技術「e-POWER」で利用する。同方式はエンジンの熱効率と燃費性能が直結しやすい。日産は現行エンジンの最高熱効率である38%から3割超の大幅な向上を目指す。

 現在、熱効率の世界最高水準は41%前後である。トヨタ自動車やホンダ、マツダ、スバルといった日本の自動車メーカーが激しく競っている。熱効率では欧米メーカーに差をつけており、日本に優位性がある。日産がもくろみ通りに50%に到達すれば、日本勢の中で大きく抜け出しそうだ(図2)。

図2 e-POWER用次世代エンジンのイメージ
図2 e-POWER用次世代エンジンのイメージ
ロングストローク化し、新しい燃焼技術などを投入する。(出所:日産)
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 一方、30年以降にエンジン車の販売を中止する動きが欧米中心に世界で広がる。エンジンの新規開発を事実上中止したとされる自動車メーカーも日本にあるようだ。