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50%達成に最後の2ポイントはあの技術で

 ターボチャージャーの採用も熱効率の向上に寄与した。発電専用機には一見必要ないように思えるが、大量EGRやリーンバーンに必要な多量の空気を筒内に押し込む役割がある。加えて廃熱回収効果を得られるという。

 ターボがなければ使わなかった排ガスのエネルギーを利用することで、多量の空気を気筒に送り込み、ポンピング損失を減らせる。加えて、過給することで高トルク域で運転することができ、摩擦損失を相対的に小さくして熱効率向上につなげられる。

 ターボはシングルで、タービン径を大きくしたのが特徴である。同程度の排気量のエンジンに比べて、1.4~1.5倍ほど大きいという。発電専用機にターボラグは関係なく、径を小さくして応答性を高める必要がない。定点運転領域で最も高効率なタービン径を選択した。「今回のターボを通常のエンジンに使えば、ターボラグの大きなドッカンターボになるだろう」(鶴島氏)と話す。

 ターボには油圧式ウエイストゲートバルブを備える。最高出力点付近での運転時に利用するという。

 実験機の気筒数を4ではなく3にしたのは、1気筒当たりの排気量を0.5Lくらいにするのが技術検証しやすいため(図7)。「量産時に3気筒にするかは分からない」(鶴島氏)という。

図7 日産の「フル可変単気筒エンジン」
図7 日産の「フル可変単気筒エンジン」
新エンジンの開発に大きく貢献する試験装置。ストローク長やバルブタイミングなどを自在に変更できる。(撮影:日経Automotive)
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 今後は廃熱回収技術などを利用することで、46%の熱効率をさらに高めて50%達成を実証する。ランキンサイクルなどの廃熱回収技術の投入によって、46%の熱効率を48%程度にできると見通す。残る2%については、現状は燃費最適点と高出力点を使い分けて運転しているところ、燃費最適点だけに絞ることで達成できるとみる。