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 マツダは2021年6月に、30年に向けた技術・商品の開発方針を発表した。20年に発表した中期経営計画の見直しや、50年のカーボンニュートラル(炭素中立)への対応を踏まえたもので、「電動化の推進」や「安全技術の進化」などが柱である。電動化では25年以降に、専用プラットフォーム(PF)を用いた電気自動車(EV)を投入。安全技術では、「レベル2+」の先進運転支援システム(ADAS)「Co-Pilot」の概要を公表した。

 マツダのこれまでの電動化計画では、30年に世界で生産するすべての車両に電動化技術を搭載するとしていた。その比率はハイブリッド車(HEV)と簡易ハイブリッド車(MHEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)の合計が95%、EVが5%だった。

 今回発表した電動化計画では、30年の構成比率をHEVとMHEV、PHEVの合計で75%、EVで25%とした。世界で加速するEVシフトを踏まえ、EVの比率を大きく引き上げた。

 マツダ専務執行役員(研究開発・コスト革新統括)の広瀬一郎氏は、「30年に向けて、EVは世界で確実に普及する。こうした動きに合わせて、専用PFを適用する複数のEVを、25年ごろから30年にかけて投入する」と述べる(図1)。

図1 マツダ専務執行役員の広瀬一郎氏
図1 マツダ専務執行役員の広瀬一郎氏
「専用PFを適用する複数のEVを、25年ごろから30年にかけて投入する」と言う。(写真:マツダ)
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現行PFを使う電動車両を22年から投入

 新たな電動化計画を具体的に見ると、小型車向けPF「スモール」と中大車向けPF「ラージ」を適用する電動車両を22年から25年にかけて、日本や欧州、米国、中国、ASEAN(東南アジア諸国連合)などで発売する。MHEVを除く電動車両の車種はHEVとPHEVがそれぞれ5車種、EVが3車種である(図2)。

図2 30年に向けた電動化計画
図2 30年に向けた電動化計画
スモールPFとラージPFを適用する電動車両を22年から25年にかけて、日本や欧州、米国、中国、ASEANなどで発売する。マツダの資料を基に日経Automotiveが作成。
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 このうちHEVには、「トヨタ自動車のハイブリッド機構(THSII)を使用する車両も含まれる」(広瀬氏)と言う。また、スポーツモデルの小型車「ロードスター」も、電動化の対象にする。

 PFごとに見ると、スモールを適用する電動車両には、ガソリンエンジンを用いたHEVや24V駆動のMHEVのほかに、EVが含まれる。ラージを適用する電動車両では、ガソリンエンジンを用いたPHEVや、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンを使う48V駆動のMHEVなどが中心になる。

 一方、スモールやラージとは異なる専用PFを適用するEVは、電池パックの大きさに応じてホイールベースやPFの幅を変えられるようにする。また、専用PFを使うことで、複数の車種を効率的に生産できるようになるほか、「EV独自の外観デザインやパッケージングが可能になる」と広瀬氏は言う(図3)。

図3 EV専用PFのイメージ
図3 EV専用PFのイメージ
電池パックの大きさに応じてホイールベースやPFの幅を変えられるようにした。マツダの資料を基に日経Automotiveが作製。
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