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 トヨタ自動車は、ソフトウエアやコネクテッド技術の手の内化(内製化)を加速するため、ソフト技術者をトヨタグループ全体で1万8000人に増やす。2021年8月に開催したソフトおよびコネクテッドに関する説明会で同社執行役員Chief Product Integration Officerの山本圭司氏が明らかにした。

 同社は「原理・原則にこだわり、重要な技術は手の内化する」(同氏)という基本的な考え方を持つ。これまで製造装置やECU(電子制御ユニット)、水素関連技術などの手の内化を進めてきた。今後は「ソフトが商品力を左右する重要な要素になる」(同氏)ため、この分野の手の内化に力を入れる(図1)。

図1 ソフト技術者1万8000人体制へ
図1 ソフト技術者1万8000人体制へ
(a)ソフト技術について説明するトヨタ執行役員Chief Product Integration Officerの山本圭司氏。(b)グローバルなソフト開発体制を構築する。(出所:トヨタ)
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 ソフトで重要な役割を担うのが、ウーブン・プラネット・ホールディングスが開発する車両ソフトプラットフォーム「Arene(アリーン)」だ(図2)。ハードとソフトを分離し、“ソフトウエアファースト"の開発を可能にする。「これまではハードがすべて完成しないとソフトの評価ができなかった。今後はハードがなくても、コンピューター上のシミュレーションでソフトを開発・評価できるようになる。その結果、ソフトの品質を向上しながら、開発リードタイムを短くできる」(同氏)。5年以内の実用化を目指す。

図2 車両ソフトプラットフォーム「Arene(アリーン)」
図2 車両ソフトプラットフォーム「Arene(アリーン)」
Areneツールで開発したアプリは、車種が違っても、Arene OSを搭載した車両なら同じように動作する。(出所:トヨタ)
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 コネクテッド技術に関しては「これまでに日本、米国、欧州、中国を中心に約1000万台のレクサス車やトヨタ車をコネクテッド化してきた」(同氏)。02年に始めたテレマティクスサービス「G-BOOK」が最初の事例だという。それ以来、サービスを提供する情報基盤の手の内化を進めてきたという。

 顧客接点となるコールセンターに加え、テレマティクス基盤「トヨタスマートセンター(TSC)」などを自前で立ち上げた。車両情報の利活用を進める「ビッグデータセンター」や各種モビリティーサービスを提供する「モビリティサービスプラットフォーム(MSPF)」も自前で構築してきた。「約20年にわたって顧客や販売店の声を反映し、情報基盤を進化させてきたことが強み」(同氏)とする。

 今後は災害時の情報提供や、物流の効率化など、コネクテッド技術を社会課題の解決に生かす。「クルマの枠を超え、街や社会全体のプラットフォーム作りにも関わり、社会の発展に貢献したい」(同氏)とする。