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 2050年の交通事故死亡者ゼロを掲げるホンダが、開発中の次世代HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)を搭載した試作車を初公開した(図1)。AI(人工知能)を使うことで交通事故の危険性が高まる前にリスクを先読みし、回避することを目指す。自動運転「レベル3」のような派手さはないが、死亡事故を減らす上で重要な役割を担う。

図1 次世代HMIを搭載したホンダの試作車(黄色の車両)
図1 次世代HMIを搭載したホンダの試作車(黄色の車両)
写真は、路上駐車している車両の陰から歩行者が飛び出してくる可能性がある場合を想定したデモンストレーション。白色と黒色の駐車車両を横切るまで歩行者を目視できなかったが、車両は「飛び出しの危険性がある」と推定して運転者に注意を促した。(写真:ホンダ)
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 「これまでの安全技術はリスクに直面してから対処するものだった。死亡事故ゼロを実現するには、リスクが高まるのを未然に防ぐ技術が欠かせない」。こう訴えるのは、ホンダで安全技術開発を主導する髙石秀明氏(ホンダ経営企画統括部安全企画部 本田技術研究所先進技術研究所安全安心・人研究ドメイン エグゼクティブチーフエンジニア)である。

 リスクに直面した際に機能するのが「Honda SENSING」に代表される先進運転支援システム(ADAS)である。ホンダは次世代ADAS「Honda SENSING 360」を22年に実用化し、30年には中国を含む先進国(日本・米国・欧州)で発売するすべての新型車に搭載する計画だ。

 ホンダはADAS機能の進化や搭載車種の拡大に加えて、2輪安全技術の普及拡大や安全教育技術の展開などを進めることで、「30年に全世界でホンダ車が関与する交通事故死者を半減する」(同社)という中間目標を設定した。