ダイハツが2021年11月に発売した小型SUV(多目的スポーツ車)「ロッキー」のハイブリッド車(HEV)モデル(図1)。選んだのは、トヨタ自動車のシリーズパラレル方式の「THSII」ではなく、シリーズ方式だった。なぜ、同社はシリーズ方式を選んだのか─。そこから透けて見えてくるのは、軽自動車のストロングHEV化に向けた同社の戦略だ。
まずは、この数値を見てもらいたい。(1)85kW、280N・m、(2)80kW、253N・m、(3)78kW、170N・m、(4)59kW、141N・m。実はこれは、代表的な小型のストロングHEVに搭載されている駆動モーターの最高出力と最大トルクである。
すなわち、(1)が日産自動車の小型車「ノート」、(2)がホンダの小型車「フィット」、(3)がロッキー、(4)がトヨタ自動車の小型車「ヤリス」─のものだ。ハイブリッド方式は、(1)~(3)がシリーズ方式、(4)がシリーズパラレル方式である。