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 デンソーは設立から30周年を迎えた先端技術研究所(愛知県日進市)の取り組みについて2021年11月に説明会を開催した。30~35年ごろの実用化を目指し、AI(人工知能)や量子コンピューティング、次世代材料などの研究開発を進める。

 同研究所は1991年に「基礎研究所」として設立され、半導体やエレクトロニクス、次世代材料、AI、人間工学などの研究を担ってきた(図1)。例えば、次世代のパワー半導体材料として注目されているSiC(シリコンカーバイド)では、低欠陥の結晶成長技術を強みとし、20年に発売されたトヨタ自動車の燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」に採用されるなどの実績を持つ。

図1 デンソー先端技術研の沿革
図1 デンソー先端技術研の沿革
2021年に30周年を迎えた。(出所:デンソー)
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 17年に先端技術研究所に名称を変更し、20年には半導体とエレクトロニクスの研究領域を、トヨタと共同で設立した半導体先行開発会社「ミライズテクノロジーズ」に集約した。これにより、先端技術研究所の人員は見かけ上減り、現在は約250人(研究者7割、技能員3割)となっている。

 ただし、ミライズテクノロジーズは先端技術研究所内にあり、これまで以上に連携を強化している。また、ミライズテクノロジーズにはトヨタからの出向者が約250人加わっているため、「デンソーの全体的な研究体制は強化されている」(先端技術研究所長兼マテリアル研究部長の伊藤みほ氏)と話す。同じ敷地内にあるパワートレーン関連の研究子会社SOKENとも連携する。

 具体的な研究事例として、AIによる感情認識や量子コンピューティング、レアアースフリー磁石、燃料電池向けの新材料などを紹介した。このうち、AIや量子コンピューティングにかかわる研究者は100人弱で、材料研究にかかわる研究者は相対的に少ないという。