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 日系自動車メーカー7社の2021年度第3四半期累計(21年4~12月)の連結決算が出そろった。部品不足による生産制約の中で、調達した部品の最適配分や車両在庫の有効活用などによって、トヨタ自動車や日産自動車など4社が前年同期に比べて世界販売台数を増やした。ただ、21年度通期(21年4月~22年3月)では、トヨタやマツダなど3社が前回計画を下方修正しており、不透明な状況が続く。原材料価格の上昇という懸念材料もあり、各社からは車両価格の引き上げを検討する動きが出てきた。

 新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大の影響を受けて、20年度第3四半期累計(20年4~12月)の世界の自動車市場は、すべての地域で大きく減少した。その後、中国や北米などで市場が回復し、21年度第3四半期累計では日本を除く市場が拡大した(図1)。

図1 世界の自動車市場(万台)
図1 世界の自動車市場(万台)
20年度第3四半期累計では全市場が縮小したが、21年第3四半期累計では日本を除く市場で拡大した。( )内は前年同期比の増減率。日産自動車の公表データを基に日経Automotiveが作成。
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 世界市場の回復を受けて、トヨタと日産、スズキ、三菱自動車の4社は、21年度第3四半期累計の連結世界販売台数(以下、世界販売台数)を前年同期に比べて増やした。車載半導体を含む部品不足による生産制約はあったが、販売増加が期待できる車種や市場に、部品を優先的に供給したことなどが寄与した。ただ、21年10月以降に部品不足が再拡大したことなどで、トヨタとマツダ、SUBARU(スバル)の3社は、21年度通期の世界販売台数を前回計画(21年11月公表、以下同じ)から下方修正した(図2)。

図2 自動車7社の世界連結販売台数(万台)
図2 自動車7社の世界連結販売台数(万台)
21年10月以降に部品不足が再拡大したことで、トヨタとマツダ、スバルが21年度通期の世界販売台数を下方修正した。上方修正したのは三菱自だけである。前回計画から※1は上方修正、※2は下方修正、※3は据え置き。( )内は前年同期比の増減率。各社の公表データを基に日経Automotiveが作成。
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