マツダは、運転者に異常が生じたときに車両を安全な場所に自動で退避させる技術を2022年から量産する(図1)。「人間中心」の考えで自動運転技術に取り組み、「ドライバーレス(運転者なし)」をもくろむ「ITジャイアント」と一線を画す。小規模なマツダとしては同じ土俵で勝負するのは避けて、自動運転時代にも一定数は残ると見込む「車好き」の事故削減に力を注ぐ。
「人の状態検知が一丁目一番地」(マツダ商品戦略本部技術企画部主査の栃岡孝宏氏)─。
マツダが21年11月に発表した運転支援技術「CO-PILOT(コパイロット、航空機の副操縦士を指す)」の開発を率いる栃岡氏は、人の運転を前提としながら事故削減を目指す考えを強調した。人が運転に関わらない「レベル3」以上の自動運転とは距離を置く。