日系自動車メーカー7社の2021年度通期(21年4月~22年3月)の連結決算が出そろった。部品不足による生産制約によって、ホンダや日産自動車など4社が前年度に比べて世界販売台数を減らした。ただ、事業構造改革などによって、7社の業績は回復基調にある。22年度通期(22年4月~23年3月)は、7社すべてが世界販売台数と営業利益の増加を計画するが、部品不足は22年度も続く見通しだ。ロシアのウクライナ侵攻による原材料価格のさらなる高騰という減益要因もある。こうした逆風の中で各社は、計画の達成に挑む。
新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大によって20年度(20年4月~21年3月)の世界の自動車市場は、前年度に比べてすべての市場で減少した。その反動もあり、21年度は中国と「その他市場」が回復し、前年度に比べて1.8%の増加となった(図1)。
世界の自動車市場は回復したが、車載半導体を含む部品不足による生産制約の影響によって、ホンダと日産、マツダ、SUBARU(スバル)の4社は、21年度の世界連結販売台数(以下、世界販売台数)を前年度に比べて減らした。ホンダとスバルの減少幅が大きい。
一方、トヨタ自動車とスズキ、三菱自動車の3社の世界販売台数は、前年度に比べて増えた。生産制約の中で、販売の増加が期待できる市場に部品や車両を優先的に供給するといった取り組みが寄与した(図2)。