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認定への障壁を下げ、作業者を増員へ

 そこで、21年12月にボッシュが新設したのが「CDRテクニシャン」と呼ぶ資格である。EDRからのデータの読み出しだけを専門とする新資格だ。解析や事故原因の特定までは担当しない。データの読み出しと解析を担っていたCDRアナリストに比べ、認定への障壁は低く、要するトレーニングも2日間で済む。

 同社は、数年以内に国内でCDRテクニシャンの認定者を約1000人まで増やす計画だ。CDRテクニシャンがデータを読み出し、CDRアナリストが事故解析を進めることで作業を分担し、効率化する。これによって、EDRデータを活用した事故調査の割合を現状の0.2~0.3%から、「約30%に高める」(同社)という。

 ボッシュがCDRテクニシャンの増員に向け、期待を寄せるのが整備工場や板金工場である。事故調査へのEDR活用を広げるためには、データ読み出しの拠点を全国に幅広く設置することが必要となる。事故の際に車両のEDRデータの読み出しを近くの拠点へ依頼できれば、ユーザーは同データを証拠として活用した客観的で透明性の高い事故調査を受けられる。

 ボッシュはデータ読み出しの拠点を増やすため、日本自動車車体補修協会(JARWA)と協力する。JARWAが会員として抱える整備工場や板金工場など、約1600の工場とのネットワークを活用し、CDRテクニシャンの資格を取得するよう働きかける。

 22年4月からは、CDRテクニシャンのトレーニングにJARWAが監修した車体計測の手法を追加した。「JARWAバランスゲージ」と呼ぶ道具を使い、車体の損傷を計測する。事故車両の損傷度合いを見える化し、EDRデータによる事故調査の結果と組み合わせることで、修理範囲を早期に判定し、見積もりの効率化につなげるという。