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 日本製鉄は、自動車用鋼板のライフサイクル全体における二酸化炭素(CO2)などの温暖化ガス排出量を定量化することに成功した。クルマのボディー骨格を構成する鋼板ごとの温暖化ガス排出原単位の影響を加味した評価や、鋼板の使い方が温暖化ガス排出量に与える影響などの評価ができるのが特徴である。自社の自動車用鋼板の製造工程だけでなく、LCA(ライフサイクルアセスメント)の観点から温暖化ガス排出量を可視化することで、自動車メーカーに軽量化ボディーを提案する際の武器にする。

 日本製鉄は2050年のカーボンニュートラル(炭素中立)の実現に向けて、大型電炉を用いた高級鋼の量産技術の確立や、水素還元製鉄の実用化研究に加え、「CCUS(Carbon Capture, Utilization and Storage)」注1)によるカーボンオフセット対策なども含めた「ゼロカーボンスチール」実現への取り組みを進めている。

注1)排出された温暖化ガスを他の気体(大気など)から分離・貯蔵して利用する取り組みのこと。

 こうした自社の製造工程から発生する温暖化ガス排出量削減の取り組みに加えて、自動車メーカーに対しては、次世代の鋼製ボディー骨格のコンセプトを提案し、クルマのライフサイクル全体での温暖化ガスの排出量削減を目指している(図1)。

図1 日本製鉄の次世代鋼製ボディー骨格コンセプト
図1 日本製鉄の次世代鋼製ボディー骨格コンセプト
高強度の高張力鋼板を多用することで、軽量化と衝突安全性を両立させる。(写真:日本製鉄)
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