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 古河電気工業は2022年5月、報道陣向けにモビリティー関連技術の見学会を実施し、3つのデモを披露した。披露したのは、(1)電動キックボードのワイヤレス充電、(2)死角から車両が近づいてきたときに光や音で歩行者に知らせてくれる「インテリジェント歩道」、(3)T字路で死角からの車両の接近を表示と音で知らせてくれるV2X(Vehicle to Everything)通信の活用例─である。モビリティー関連技術の開発において、「モビリティー×社会基盤」に軸足を置いているのが同社の特徴だ。

 (1)のワイヤレス充電は、路上に設けた充電ポートに、電動キックボードの前後の車輪を所定の位置に合わせるように滑り込ませると、自動で非接触給電を実行するというものだ(図1)。デモでは、充電を行う代わりに、充電ポートに配したLEDを青く光らせることで模擬したが、幅(左右)方向の位置や前後方向の軸回りの傾きといった位置合わせは大まかでよいという手軽さがある。

図1 充電ポートに設置した電動キックボード
図1 充電ポートに設置した電動キックボード
(写真:日経Automotive)
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 同ワイヤレス充電のシステムは、大林組と共同で実証実験しているもので、古河電工は、1人乗りのマイクロモビリティー向けのワイヤレス充電システムとして、25年の実用化を目指している。最終的には、走行中充電の実現も目標に据える。