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 ホンダ系クラッチ大手のエフ・シー・シー(FCC)が、電動二輪車向けの駆動モーターやその関連部品の開発に注力している(図1)。世界で加速する電気自動車(EV)への移行に伴い、主力の四輪車向けクラッチの需要が縮小するとみているためだ。

図1 駆動モーターを構成するローター(回転子)のコンセプト品
図1 駆動モーターを構成するローター(回転子)のコンセプト品
積層コア(鉄心)や中空のシャフトなどを組み合わせている。(写真:日経Automotive)
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 クラッチは、エンジンと変速機の間に搭載するディスク型の動力伝達装置。FCCは二輪車向けと四輪車向け注)の両方を手掛け、二輪車向けクラッチでは世界シェア(市場占有率)で首位を走る。

注)四輪車向けクラッチでは、ホンダのほか、米Ford Motor(フォード・モーター)や同General Motors(ゼネラル・モーターズ、GM)、欧州Stellantis(ステランティス)、ドイツZFが主要顧客である。

 ただ、EV化を背景に、FCCの売上高の約半分を占める四輪車向けクラッチ事業は将来の成長が見込めないという。モーターで駆動するEVには「基本的にクラッチは必要ない」(同社のEV関連製品の開発担当者、以下、開発担当者)からだ。

 欧州のメガサプライヤーなど、一部の部品メーカーがEV向け変速機の開発を進めているが、FCCとしてはこれに伴うクラッチの需要は限定的とみている。同社の営業担当者は「EV向け変速機には期待しているし、採用が広がればうれしい。ただ、現在のEVはシステムを簡素にしていくのが主流で、クラッチを使うEV向けのユニット部品はほとんどないと考えている」と語る。

 FCCは、四輪車におけるEV化は「2030年が転換期」(開発担当者)とみて、新製品の開発を進めている。これまで、クラッチを中心に駆動系部品を手掛けてきたため「駆動モーターやその周辺部品を造れるようにならなければならない」(営業担当者)というのが、現在の同社の課題だ。