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 ジェイテクトは2022年10月、先進運転支援システム(ADAS)の制御に運転者が柔軟に介入できるステアリング制御システム「Pairdriver(ペアドライバー)」を新たに開発したと発表した。ADASによるレーントレース性を確保しながら、運転者がより自然なフィーリングで必要に応じて操舵(そうだ)に介入できる。

 近年、ADASの普及に伴い、電動パワーステアリング(EPS)による操舵支援は、高級車を中心に、従来の運転者主体の操舵力制御から、システム主体の舵角(だかく)制御へ移りつつある。ADASの舵角制御は運転者の疲労軽減が期待できる半面、「舵角制御中に運転者の操作介入が難しくなった」(同社研究開発本部部長の吉井康之氏)という。同社はこの“頑固な”ADASの制御に対応した。

 新たに開発したペアドライバーは、ADASの制御を止めずに、運転者が上乗せで操舵できるソフトウエア技術だ(図1)。ADAS作動中に介入した運転者による操舵力を、独自のアルゴリズムを用いて、ADASの操舵と協調制御する。ADASのレーントレース性能は維持したまま、運転者が操舵に介入しやすくなるとしている。

図1 ペアドライバーは、ヒトとシステムの協調特性をコントロールする
図1 ペアドライバーは、ヒトとシステムの協調特性をコントロールする
これまで難しかったADASの制御への運転者の介入がしやすくなる。(出所:ジェイテクト)
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 これにより、「連続的で一貫性のあるADASフィーリングになる」(吉井氏)という。自動運転レベル0~4に対応し、モーターの付いているEPSに搭載可能とする。

 基本的にADASのシステム設計は自動車メーカーが担当するが、ペアドライバーによるADASと運転者の協調操舵についてはジェイテクトと自動車メーカーが共同で設計する。協調操舵の特性は、走行状況や運転者の状態に応じて柔軟に調整でき、その特性を踏まえてジェイテクトはEPSのソフトウエアを設計するとしている。これまでのハードウエアを大きく変更する必要がないため、自動車メーカーにとっては導入のハードルが低いという利点がある。吉井氏は「顧客ニーズにも迅速に対応できる」と語った。