Automotive Report
目次
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「車内幼児置き去り防げ」、アルプスアルパインがセンサー受注
自動車死亡事故で、車内への幼児の置き去りを防ぐ取り組みが注目されている。世界で実質義務化する動きがあり、主要自動車メーカーが採用の検討を始めた。アルプスアルパインは低コストで電力消費の少ないセンサーを開発し、幼児の置き去り検知の市場に挑む。
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モービルアイが新型SoC、1チップでレベル4の自動運転
米Intel(インテル)子会社のイスラエルMobileye(モービルアイ)は、ほぼ1チップでレベル4の自動運転システムを実現できる車載SoC(System on Chip)「EyeQ Ultra」を2022年1月の「CES 2022」で発表した。5nm世代の半導体プロセス技術で製造し、23年後半に…
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自動車向けAIに差、半導体との一体開発が鍵か
自動車にAI(人工知能)を使う事例が増えてきた。先進運転支援システム(ADAS)や自動運転システム、乗員監視システムなどが主な用途である。AIのソフトウエアを動かす車載半導体にも、通常のプロセッサーのほかに「AIアクセラレーター」と呼ぶ専用回路が搭載され始めている。
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トヨタ系とパナ、東大が電池革新へ 電池材料製造とリサイクルに焦点
東京大学生産技術研究所(東大生研)、プライムプラネットエナジー&ソリューションズ(PPES)、パナソニック、豊田通商は2022年1月末、リチウムイオン電池(LIB)の資源およびリサイクルに関する共同研究を開始した。
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パイオニア、車載LiDAR撤退 自動運転に遅れ
パイオニアが、自動車向けLiDAR(レーザーレーダー)の開発をやめたことが分かった。自動運転技術の進展が遅くLiDAR市場が拡大しない中、「投資回収に時間がかかる」(パイオニア)と諦めた。車載LiDARへの参入企業は多く、淘汰が始まった。
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マツダの自動運転、IT巨人と逆を行く
マツダは、運転者に異常が生じたときに車両を安全な場所に自動で退避させる技術を2022年から量産する。「人間中心」の考えで自動運転技術に取り組み、「ドライバーレス(運転者なし)」をもくろむ「ITジャイアント」と一線を画す。小規模なマツダとしては同じ土俵で勝負するのは避けて、自動運転時代にも一定数は残…
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自動車7社の21年度3Q決算、部品不足の対応で「あの手この手」
日系自動車メーカー7社の2021年度第3四半期累計(21年4~12月)の連結決算が出そろった。部品不足による生産制約の中で、調達した部品の最適配分や車両在庫の有効活用などによって、トヨタ自動車や日産自動車など4社が前年同期に比べて世界販売台数を増やした。ただ、21年度通期(21年4月~22年3月)…
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「敵は内燃機関ではなく炭素」、国際理解に壁と自工会会長
日本自動車工業会(自工会)は2022年1月に定例記者会見を開き、同会長の豊田章男氏(トヨタ自動車社長)がカーボンニュートラル(炭素中立)への取り組みについて説明した。22年に取り組む5つの重点テーマも発表した。
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パイオニアのディスプレーオーディオ、大画面化に対抗
パイオニアが市販のディスプレーオーディオ(DA)や同カーナビ事業に注力している。新型車への純正採用が進むDAは、今後市販向けの需要も拡大するとみる。市販カーナビは、国内の既販車市場を狙う。市販DAや同カーナビの国内市場には大画面化の流れがあるが、同社は10インチまでの中、小型のディスプレーで勝負す…
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仏シトロエン、国内EV初投入 「静粛性重視」の先進ユーザーに
欧州Stellantis(ステランティス)のCitroen(シトロエン)ブランドは、2022年1月に国内で新型「C4」の電気自動車(EV)モデルを発売した。シトロエンが日本にEVを投入するのは初めて。価格は465万円(消費税込み)。日産自動車のEV「リーフ」の上位グレードなどと近い価格帯で勝負する…
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ホンダ、交換式電池パックで攻勢 インドで有料シェア事業も展開へ
ホンダは2021年10月、法人向け電動ビジネスバイクの新型車を日本で発売した。総電力量を増やした新型の交換式電池パックを搭載し、1充電当たりの走行距離を従来の1.2倍に延ばした。また、新型電池パックのシェアリング事業を、22年前半にインドで始める。同国の電動三輪タクシー「リキシャ(Rickshaw…
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ダイハツ「ロッキー」の安全性能、骨格改良で重いHEVに対応
ダイハツ工業が2021年11月に発売した新型の小型SUV(多目的スポーツ車)「ロッキー」は、シリーズ式ハイブリッド機構を搭載したことで、ガソリンエンジンの先代車に比べて車両質量が80kg以上重くなった。車両質量が重いハイブリッド車(HEV)の場合、先代車と同じボディー骨格では、衝突安全に対応するの…
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トヨタ新型EV「bZ4X」、価格競争で勝つ
トヨタ自動車は2022年半ばの発売を目指す新型電気自動車(EV)「bZ4X」の試作モデルを、21年11月に公開した。開発を指揮したトヨタZEVファクトリー副本部長の豊島浩二氏は、「EVは本格的な価格競争に突入しつつある」と述べ、コスト競争力が重要との認識を示した。
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ケータイの失敗を生かせるか、パナソニックの統合ECU開発
パナソニックは車載事業に関する合同取材会を2021年10月に開催し、次世代コックピット向けの統合ソリューションを発表した。車載情報システム(IVI)やメーター、HUD(ヘッドアップディスプレー)、電子ミラー、先進運転支援システム(ADAS)などを束ねる統合ECU(電子制御ユニット)「コックピットド…
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100度以上で動作する燃料電池も、デンソー先端技術研の底力
デンソーは設立から30周年を迎えた先端技術研究所(愛知県日進市)の取り組みについて2021年11月に説明会を開催した。30~35年ごろの実用化を目指し、AI(人工知能)や量子コンピューティング、次世代材料などの研究開発を進める。
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マツダ「ロードスター」を改良、高速旋回で地面に吸い付く安定感
マツダは、2人乗りの小型オープンスポーツカーである「ロードスター」(軟質のルーフを取り外し可能なソフト・トップ・モデル)と「同 RF」(硬質のルーフを電動で開閉できるリトラクタブル・ハード・トップ・モデル)を改良し、2022年1月に発売した。今回の改良における最大のポイントは、コーナリング(旋回)…
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軸受部品にバイオプラ採用、DSMが乗り越えた壁
オランダ化学大手Royal DSMが開発したバイオマス(植物由来)ポリアミド(PA)樹脂が、自動車部品に採用された。ベアリング世界大手の日本精工(NSK)が、転がり軸受保持器にDSMの同樹脂を使った。石油由来PA樹脂製保持器と同等の性能やコストなどを実現したことが採用の決め手になった。
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日立、EVの800V化に両面作戦、350kW超急速充電器
日立製作所は、出力350kWに対応した電気自動車(EV)向け「超急速充電器」を試作した。電池電圧を約800Vに高めたEVの充電に対応し、充電時間を短縮できる。一方で日立Astemo(アステモ、東京・千代田)は、800V対応EV向けインバーターを世界に先駆けて量産している。グループを挙げて、充電イン…
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シリーズHEVが主役へ、22年に日産エクストレイル刷新
ハイブリッド車(HEV)技術の主役交代が近づく。20年以上にわたり同技術をけん引してきたトヨタ自動車のシリーズパラレル方式に対し、日産自動車が手掛けるシリーズ方式が性能と規模の両面で迫る勢いだ。日産は次期シリーズHEVで、独自のエンジン技術を投入して燃費性能を高める。ダイハツ工業は日産に続いてシリ…
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軸なしステア・バイ・ワイヤ量産目前、トヨタ系先陣、追う独大手
自動車のタイヤとハンドルを機械的につなぐことなく、電気信号でタイヤ角を変えるステア・バイ・ワイヤ(SBW)─。本命の「軸なし」技術の実用化が目前だ。トヨタ自動車系のジェイテクトが、先陣を切って量産にこぎ着ける見通しである。ドイツ部品大手のSchaeffler(シェフラー)が追いかける。自動運転車に…