Automotive Report
目次
-
軽ストロングHEV化への突破口か、ロッキーに見るダイハツの選択
ダイハツが2021年11月に発売した小型SUV(多目的スポーツ車)「ロッキー」のハイブリッド車(HEV)モデル。選んだのは、トヨタ自動車のシリーズパラレル方式の「THSII」ではなく、シリーズ方式だった。なぜ、同社はシリーズ方式を選んだのか─。そこから透けて見えてくるのは、軽自動車のストロングHE…
-
AIでミス未然に防ぐHMI、ホンダが2020年代後半投入へ
2050年の交通事故死亡者ゼロを掲げるホンダが、開発中の次世代HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)を搭載した試作車を初公開した。AI(人工知能)を使うことで交通事故の危険性が高まる前にリスクを先読みし、回避することを目指す。自動運転「レベル3」のような派手さはないが、死亡事故を減らす上で…
-
帝人、世界の拠点を一体運営、クルマ向け複合材料事業を強化
帝人は、グローバル展開している自動車部品向け複合材料事業を統合した。日本と米国、欧州、中国にある拠点を一体運営できるようにして、同事業の売上高を2030年に、現在の2倍に増やす計画だ。素材から加工、成形、リサイクルに至るLCA(ライフサイクルアセスメント)の観点から、二酸化炭素(CO2)の排出量を…
-
東海理化、ドアキーの生き残り策 、メカからスマホへ大転換
自動車のドアを施解錠する鍵が大きく変わろうとしている。従来はユーザーが物理的な“メカニカルキー”を持ち歩き、直接鍵穴に差し込んだり、鍵のボタンを押したりして施解錠するのが一般的だった。近年は鍵を携帯して車両に近づくだけで施解錠できる“スマートキー”が普及しているほか、新たにスマートフォンのアプリケ…
-
ホンダ、中国にEV専用PF、北米「二刀流」の効率後回し
ホンダは2021年10月上旬、中国向けに電気自動車(EV)専用プラットフォーム(PF)を開発し、22年春に2種類のEVを投入すると発表した。開発中の北米向けEV専用PFと合わせて「二刀流」で臨む。他社にはEV専用PFを1つに統合し、開発効率を高める動きがある。ホンダは効率よりも中国へのEV投入を急…
-
パナソニックのHUD、トヨタ3車種に採用
車両前方に各種運転情報を投影するHUD(ヘッド・アップ・ディスプレー)で、2017年参入の後発組となるパナソニックが存在感を高めている。トヨタ自動車は20年から21年に発売した小型車3車種で、パナソニック製のHUDを採用した。HUDの世界市場では、最大手の日本精機のほか、デンソーやドイツConti…
-
ホンダ、置き去りのHEV、全車EV・FCV宣言の裏で
ホンダが2040年までに先進国における全ての新車を電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)にすると宣言した一方、置き去りにされている印象なのがハイブリッド車(HEV)技術である。多額の投資が必要なEV開発の原資は、HEVなどの既存技術の利益である。HEVの競争力向上を軽視して、EVとFCVに移行す…
-
スズキが独自ストロングHEV、22年に欧州初導入へ
スズキが、独自開発するストロングハイブリッド機構を欧州市場に初導入する。2022年初めに欧州向け「Vitara(ビターラ)」から採用を始め、同年後半には新型「S-CROSS(エスクロス)」に搭載する計画である。これまではトヨタ自動車からOEM(相手先ブランドによる生産)調達に頼っていた。
-
e-fuelは内燃機関を救えるか?ポルシェやBMWの本音
ドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン、VW)や米Tesla(テスラ)を中心に、電気自動車(BEV)の開発が加速している。その裏で注目を集めているのが「グリーン水素」「グリーンアンモニア」「合成燃料(e-fuel)」「バイオ燃料」などのカーボンニュートラル(CN)燃料である。
-
バイオプラの耐久性「PA66に匹敵」、NSKが軸受22年量産へ
「バイオマスプラスチック(バイオプラ)を使うのは企業のイメージアップのため」─。さらりと言うのは、ある自動車メーカーの技術者である。だが、こうした常識が覆りつつある。バイオプラの強度や耐久性が、過酷な環境でも使える水準まで高まってきた。
-
トヨタの全固体電池、HEV先行、EV向けは後回し
トヨタ自動車は開発中の全固体電池について、電気自動車(EV)ではなくハイブリッド車(HEV)から採用する考えを示した。現時点で、EV向けの同電池については課題解決のめどが立っていない。「EVのゲームチェンジャー」と期待されてきたが、当面のEV開発では現行の液系リチウムイオン電池の改良でしのぐ。
-
ホンダのADASが22年から進化、交差点・出合い頭事故などを回避
ホンダの先進運転支援システム(ADAS)「Honda SENSING」が進化する。同社が2021年10月に発表した新たなシステム「Honda SENSING 360」(以下、新システム)は、車両の周囲を監視するセンサーとして単眼カメラとミリ波レーダーを採用し、交差点における出合い頭衝突を回避する機…
-
逆風に耐えるデンソー、「予告された減産だった」
デンソーは2021年10月、21年度上期(21年4~9月)の決算を発表した。売上高は前年同期比24.5%増の約2兆5829億円、営業利益は同2289億円増の約1593億円と、増収・営業黒字化を達成した。車両減産の影響を強く受けたものの、新型コロナウイルス感染症が一段落したこともあり、電動車向けのイ…
-
日産「ノートオーラ」が新市場開拓、5割が上級車から乗り換え
日産自動車の小型ハイブリッド車(HEV)「ノート」の質感を高めた派生車「ノートオーラ」が堅調に受注台数を伸ばしている。企画当初からの狙い通り、国内外の上級車から乗り換えるユーザーを中心に取り込んだ。上級車が搭載する部品を流用したことで、上質さとコストの低減を両立した。
-
パナソニックの最新市販カーナビ、大画面と低価格で巻き返し
パナソニックは2021年12月、市販のAV一体型カーナビゲーション(以下、カーナビ)「ストラーダ」の新型を発売した。近年のカーナビ市場の動向に合わせ、大画面の高価格帯モデルと標準画面サイズの低価格帯モデルを用意した。今後市販カーナビの市場は成長が見込めない中、同社は中古車への搭載やカーナビの買い替…
-
マツダ攻勢、CX-5後継車投入へ、22年からFR・SUV「CX-60」など
マツダは2021年10月初旬、新しい縦置きエンジン用プラットフォーム(PF)「ラージ」を搭載したSUV(多目的スポーツ車)を、22年から23年にかけて4車種投入すると発表した。ラージPFの開発はかねて公表していたが、車種名を明かしたのは初めて。そのうち「CX-60」は2列シートのSUVで、現行主力…
-
トヨタなど、内燃機関でも炭素中立へ、新燃料と水素エンジン活用
川崎重工業、SUBARU(スバル)、トヨタ自動車、マツダ、ヤマハ発動機の5社は2021年11月、内燃機関を活用したカーボンニュートラル(炭素中立)の取り組みについて共同で発表した。同月に開催された「スーパー耐久レース in 岡山」(3時間レース)に合わせて発表した。
-
自動車7社の21年度上期決算、部品不足で生産回復は道半ば
日系自動車メーカー7社の2021年度上期(21年4~9月)の連結決算が出そろった。前年同期(20年4~9月)と比べ、各社ともに世界販売台数と業績は回復した。ただ、車載半導体や東南アジアから調達する部品の不足は各社の想定を上回った。その結果、大規模な減産に追い込まれ、7社すべてが21年度通期(21年…
-
ホンダ、空飛ぶクルマ30年事業化か、再使用ロケットにも挑む
ホンダは、空飛ぶクルマと呼ばれるeVTOL(電動垂直離着陸機)や自身の分身となる遠隔操作ロボット(分身ロボ)、一部を再使用可能な小型ロケット、循環型再生エネルギーシステムなどの研究開発を進めていることを明らかにした。同社は、2030年のビジョンとして「すべての人に『生活の可能性が拡がる喜び』を提供…
-
日立のインホイールモーター、世界最高水準の出力密度を実現
日立製作所と日立Astemo(日立アステモ、東京・千代田)は2021年9月、電気自動車(EV)向けの小型軽量インホイールモーター(IWM)を開発したと発表した。モーターの構造を見直したほか、インバーターやブレーキと一体化したことなどで小型軽量化し、電動車両用のモーターとしては、2.5kW/kgとい…