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 三菱自動車は2020年12月、小型SUV(多目的スポーツ車)「エクリプスクロス」を大幅改良して日本で発売した。プラグインハイブリッド車(PHEV)を追加したのが最大の特徴である。PHEVの追加に合わせてボディー骨格を改良し、高速走行時の直進安定性などを高めた。

 今回の大幅改良車(以下、新型車)は、同社の中型SUV「アウトランダー」のPHEVシステムを搭載した。車両寸法がひと回り大きい同車のPHEVシステムを搭載しやすくするため、前部オーバーハングを改良前より35mm長くした(図1)。

図1 小型SUV「エクリプスクロス」のPHEV
図1 小型SUV「エクリプスクロス」のPHEV
2020年12月4日に日本で発売した。ボディー骨格を改良して、高速走行時の直進安定性などを高めた。(撮影:日経Automotive)
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 ただ、前部オーバーハングを延長すると、ボディー骨格先端部のねじり剛性(先端剛性)が、改良前より低下する問題がある。先端剛性の低下は、高速走行時の直進安定性やライントレース性(カーブを安定して走行する性能)、操舵(そうだ)の応答性に悪影響を及ぼす。

 そこで、新型車はボディー先端の骨格に鋼板製の補強材を追加し、先端剛性の低下を抑えた。「同剛性の値は改良前と同じ」(三菱自動車商品戦略本部商品力評価部で主任の鈴木忠志氏)である。また、前部・後部ドア、荷室ドアの開口部に構造用接着剤を多用し、骨格全体の変形を抑えた。こうしたボディー骨格の改良によって、高速走行時の直進安定性などを高めた(図2)。

図2 新型車のボディー骨格
図2 新型車のボディー骨格
骨格の先端に鋼板製の補強材を追加し、先端剛性の低下を抑えた。また、構造用接着剤を多用し、骨格全体の変形を抑えた。(出所:三菱自動車)
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