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 ホンダは、小型SUV(多目的スポーツ車)「ヴェゼル」を全面改良して2021年4月に発売した(図1)。ヴェゼルは13年12月にホンダが市場投入した当時としては数少ない小型SUV。世界約120カ国で累計約384万台(20年11月時点)を販売した同社の主力グローバルモデルの1つだ。7年振りの全面改良となる今回は、時代のニーズを踏まえた「世界で選ばれるクルマ」へと進化させた。

図1 ホンダが21年4月に発売した小型SUV「ヴェゼル」
図1 ホンダが21年4月に発売した小型SUV「ヴェゼル」
21年2月18日に初披露した。(出所:ホンダ)
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 機能やスペックを追い求めているだけでは、選んでもらえない─。ホンダが同車のグランドコンセプトとして掲げたのが、「AMP UP YOUR LIFE」である。

 かみ砕くと、「実用性だけでなくプラスアルファの体験価値を提供することで、日々の生活の楽しさを増幅(AMP UP)させるようなモデル」(同社)という意味だという。実用的でありながらも、乗って楽しく、眺めて美しく、ワクワクして毎日の生活が豊かになるクルマ─。そんなイメージだ。

 その実現のために重視した要素の1つが、SUVらしい力強いプロポーションとゆとりの空間の両立である(図2)。人間のための空間は最大にし、機械のための空間は最小にするという同社独自の「マン・マキシム/メカ・ミニマム思想(M・M思想)」に基づく「センタータンクレイアウト」を踏襲したプラットフォームを更新して、その両立につなげた。

図2 力強いプロポーションとゆとりの空間の両立を目指したパッケージ
図2 力強いプロポーションとゆとりの空間の両立を目指したパッケージ
センタータンクレイアウトを踏襲したプラットフォームを更新して実現した。(出所:ホンダ)
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 ゆとりの空間においては、気持ちの良い抜けのある爽快さも強く意識した。水平基調のインストルメントパネルと、フロントピラーの角度調整によって、自車の状態を把握しやすい視界を確保。「PLaY」グレードに装備する大型のパノラマルーフは、運転者だけではなく乗員にも爽快感や開放感を提供する(図3)。エアコンにもそよ風のような風を送れる新設計の吹き出し口を採用した(図4)。

図3 大型のパノラマルーフ
図3 大型のパノラマルーフ
運転者だけではなく乗員にも爽快感や開放感を提供。(出所:ホンダ)
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図4 新設計の吹き出し口を採用したエアコン
図4 新設計の吹き出し口を採用したエアコン
L字を逆さまにしたような吹き出し口がドア側に配されている。(出所:ホンダ)
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 パワートレーンは、排気量1.5Lのガソリンエンジンと2モーター・ハイブリッド・システム「e:HEV」のいずれかを選べる。ただし、同社ではHEVモデルを中心に据えていく考えだ。HEVモデルでは、ベースとなる「X」に加えて、装備を追加した「Z」、遊び心を加えたPLaYといった3種類のグレードを用意する。

 時代の要請でもある安全面やコネクテッドサービスについても、進化させた。安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダセンシング)」では、現行のヴェゼルに対して、後方誤発進抑制機能、近距離衝突軽減ブレーキ、オートハイビームといった機能を追加した(図5)。アクティブ・クルーズ・コントロール(ACC)にも、渋滞追従機能を付与する。

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図5 安全運転支援システム「ホンダセンシング」における現行ヴェゼルからの追加機能
図5 安全運転支援システム「ホンダセンシング」における現行ヴェゼルからの追加機能
(a)後方誤発進抑制機能、(b)近距離衝突軽減ブレーキ、(c)オートハイビーム。(出所:ホンダ)
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 コネクテッドサービスでは、ホンダ車として初めて「自動地図更新サービス」(通信で新しい地図に自動更新)を搭載。さらに、ホンダの量販車として初めて、「Honda アプリセンター」(好みのアプリでドライブを楽しく)、「Honda デジタルキー」(スマートフォンをクルマのスマートキー代わりに)、車内Wi-Fiを搭載する。ただし、デジタルキー以外は、車載通信モジュール「Honda CONNECT(ホンダコネクト)」のディスプレーを搭載しているものに限るとしている。