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 中国・比亜迪(BYD)の日本での乗用車販売を手掛けるBYD Auto Japan(横浜市)は2023年1月31日、中型SUV(多目的スポーツ車)の電気自動車(EV)「ATTO 3」を発売した(図1)。BYDが国内に投入する第1弾のモデルで、価格は440万円(消費税込み)に設定した。納車は同年3月ごろを予定する。

図1 BYDが日本で最初に発売するEV「ATTO 3」
図1 BYDが日本で最初に発売するEV「ATTO 3」
車両寸法は全長4455×全幅1875×全高1615mmで、ホイールベースが2720mmである。(写真:ビーワイディージャパン)
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 BYDは2022年3月に純粋なエンジン車の生産をやめた。現在はEVとプラグインハイブリッド車(PHEV)のみに注力する。販売は好調で、2022年1~10月における新エネルギー車(NEV)〔EVとPHEV、燃料電池車(FCV)〕の世界販売台数では、米Tesla(テスラ)を抑え首位となっている(図2注)

図2 2022年1~10月におけるBYDとテスラのNEV世界販売台数の推移
図2 2022年1~10月におけるBYDとテスラのNEV世界販売台数の推移
棒グラフはBYDの中国以外の市場での販売台数を示している。(出所:BYDの資料を基に日経Automotiveが作成)
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注)調査会社のマークラインズによると、同期間におけるEVのみの世界販売台数ではテスラがBYDを上回る。EVの累計販売台数は、テスラが約97万9000台、BYDが約69万5000台である。

 今回発売したATTO 3は、同社の世界戦略EVとの位置付けだ。アジア太平洋地域では中国と日本以外にオーストラリアやシンガポール、タイなどで販売し、欧州ではドイツやフランス、英国など9カ国で販売する。

 日本での価格は440万円だが、2023年度の国の補助金が2022年度と同様の内容であれば、85万円の適用対象となる。実質355万円で購入できる計算だ。

 用意するグレードは1種類のみ。容量58.56kWhのリチウムイオン電池を搭載する。満充電での航続距離(以下、航続距離)は485km(WLTCモード)である。