PR

日本精工(NSK)が開発した駆動モーターは、二つのモーターと遊星歯車機構を組み合わせた変速機を使い、操作機構なしで低速段と高速段を切り替える。今回はその動作を「レバー図」を使って説明する。一方向クラッチを結合させるか解放させるかがカギになる。

 NSKが開発した2段変速の駆動モーターをスケルトン図で表す(図1)。スケルトン図とは、図面から寸法など具体的な要素を取り除いて分かりやすくしたものだ。中空のモーターA、モーターBが左右に並び、その中に遊星歯車機構を使った変速機がある。図1では変速機がモーターBから左側にはみ出しているが、実際には前号、p.90の図1のようにモーター内に収まっている。

図1 開発したモーターのスケルトン図
図1 開発したモーターのスケルトン図
前号、p.92の図5の配列を変えたもので、本質的には同じだ。
[画像のクリックで拡大表示]

 変速機の右側はシングルピニオンの遊星歯車機構、左側はダブルピニオンの遊星歯車機構である。

 ダブルピニオンは、キャリアに「内側ピニオン」、「外側ピニオン」の両方がある遊星歯車機構だ(図2)。内側ピニオンはサンギアと噛み合い、外側ピニオンはリングギアと噛み合う。内側ピニオンと外側ピニオンも噛み合う。回転力はサンギア→内側ピニオン→外側ピニオン→リングギアと伝わる。

図2 遊星歯車機構
図2 遊星歯車機構
(a)がシングルピニオン、(b)がダブルピニオン。
[画像のクリックで拡大表示]

 このため、回転方向がシングルピニオンとは逆になる。キャリアを固定してサンギアを右に回した場合、通常のシングルピニオンではリングギアは左に回るが、ダブルピニオンでは右に回る。

 イン・ホイール・モーターを実現する場合は、最終減速機を内蔵したハブユニット軸受も合わせて一体にする。図1の左に見えるのが最終減速機だ。最終減速機はリングギアを固定し、サンギアから入力し、キャリアに出力する遊星歯車機構である。全体を円筒形にまとめるため、“同軸”にこだわっている。