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高度な自動運転を実現するには、移動する対象物の認識精度を高める必要がある。カギを握るのが深層学習(ディープラーニング)の活用だ。同技術を用いた認識技術の特徴や、高度な自動運転の実用化に向けた課題などについて、ホンダと提携するセンスタイム(SenseTime)が解説する。(本誌)

 自動運転の実用化に向けて、日本政府の動きが加速している。政府の「高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)」が公表した「官民ITS構想・ロードマップ2018」によると、2020年までの高度な自動運転(レベル3以上)の実現、2023年までの完全自動運転(レベル4)の実現に向けて、官民一体で取り組むという1)

 自動運転のプロセスは「認知」「判断」「操作」からなる。この三つの要素のうち、「判断」と「操作」は「認知」の結果に基づいて行われる。正しく「認知」することが、自動運転の実用化には特に重要である。人間は運転するときに自身の目や耳を使って周辺に何があるかを認識し、カー・ナビゲーション・システムなどを使って自車がどこを走っているかを認識する。

 自動運転システムでは、車両に搭載した各種センサーから得られる情報を解析し(センシング)、デジタル地図上のどこに自車がいるのかを認識する(自己位置同定)。自己位置同定の精度は、センシングの精度に依存する。自動運転システムの実用化に向けては、センシング(センサーとその解析技術)が重要となる。