自動運転が進化すると、車内における時間の使い方が大きく変わる。車内でどう快適に過ごすか。その中核技術になると期待されるのが、AI(人工知能)を活用したインターフェースである。乗員とコミュニケーションする「AIアシスタント」について、ソフトウエア開発を手掛けるクーガーが解説する。(編集部)
自動車産業が誕生以来の大きな変革期を迎えている。そのけん引役の1つが自動運転である。自動運転の技術開発が世界中で進む中、「クルマの中の空間」をどうすべきかが重要になっている。クルマが「移動する部屋」に向かいつつある今、その定義は大きく変わっていく。新たな価値の創造が求められ、その中核となるのは人間のような次世代インターフェースと考えている。
人間のように振る舞うVHA
映画「ブレードランナー 2049」には、ホログラムによって現実空間に投影され、人間のような顔や体を持つ「AI(人工知能)アシスタント」が登場する。感情を表現し、人間のようにコミュニケーションを行う。また、家やオフィスなどのIoT(Internet of Things:モノのインターネット)でデバイスをコントロールする代理人でもある。
現在クーガーでは、AIアシスタントに近い顔と体を持つ人型のインターフェース「バーチャル・ヒューマン・エージェント(VHA)」の開発を進めている。このVHAはスマートフォン、スマートグラス、コンピューター、デジタルサイネージなどで稼働する。カメラによる映像の入力が視覚となり、マイクによる音声の入力が聴覚となる(図1)。