PR

EV普及の課題として、充電ステーションの普及がある。「充電ステーションはコストセンターに過ぎず、事業性は低い」との認識が強いからだ。ただ、充電ステーションは電力インフラなど新たな事業としての可能性もある。フリートサービスや太陽光発電の大量導入と合わせて考えてみたい。

 連載の最後となる今回は、電気自動車(EV)普及のもう一つの課題といわれている充電インフラについて述べる。

 まず、充電に関する基本的な考え方として、エンジン車における“給油"と同じ概念で、EVにおける“充電"を捉えるべきかどうかが挙げられる。仮に“給油"と“充電"を同じ概念で捉えた場合の課題は、「航続距離の短さを克服するための(公共の)充電インフラの整備」と、技術面からの「急速充電技術の進化による充電時間の短縮」となる。

 まず、充電インフラの整備に関しては、自動車メーカー各社とも既に自国の市場を中心に整備を進めている(図1)。

図1 急速充電インフラの現状と目標
図1 急速充電インフラの現状と目標
低容量リチウムイオン電池(LiB)を搭載する日本の自動車メーカーと、大容量LiBを搭載するTeslaおよび欧州自動車メーカーで、急速充電ステーションの設置ポリシー(数、間隔)が大きく異なる。出所:各社インタビュー、各種二次情報を基にADL作成
[画像のクリックで拡大表示]

 ここで興味深いのは、車両コストを抑えるために、比較的小型な車両に電池搭載容量を抑えてEVを開発する日系自動車メーカーと、価格許容度の大きい上級車向けに高容量の電池を搭載したモデルを当面の主力と位置付け、同時に充電時間の短縮を喫緊の課題と捉えて急速充電を重視する欧米自動車メーカーがあることだ。